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種から始まる命②

今、私は、あの日「布良」の茶綿の苗を購入し育ててます。
「布になる前の時間」がることを実感

私たちは普段、
タオルや服、ハンカチや布巾など、
「布」としてコットンに触れています。
でも、
その始まりを思い浮かべることは、
意外と少ないのではないでしょうか。

コットンは、
工場で作られるものではない

一粒の種から始まり、
土に根を張り、
太陽の光を浴び、
風に揺れ、
雨に育まれながら、
季節を重ねて育つ植物

私は綿花を育てるようになって初めて、
「布になる前の時間」があることを、
実感しました。

布良の布が好きなのは、
肌ざわりがいいから、
気持ちがいいから、
という理由だけではありません。

その布が、
一粒の種から始まっていることを
知ったから

植物は、
自分の命を未来へつなぐために、
綿という繊維を生み出します。

私たちが触れている布は、
植物が命をつなぐために育てた贈りものでもあるのです。

そう思うと、
一枚の布の見え方が少し変わってくる

へナも、石けんもそうでした。

私はいつも、
「完成したもの」よりも、
そこへ至る過程に心を惹かれる

ヘナは、
植物として育ち、
葉を茂らせ、
人の手で乾燥され、
粉になり、
ようやく私たちの髪へ届く

石けんも、
植物のオイルから生まれる

そして布もまた、
植物から生まれている

私は、植物とともに暮らすようになって、
「物」だと思っていたものの多くが、
実は命の続きだったことに気づかされました。

以前の私は、
「これは良いもの」
「これは悪いもの」
そんなふうに、
答えを探していた時期がありました。
でも植物を育てるようになってからは、
自然はそんなに単純ではないと
教えられました

晴れの日も必要。
雨の日も必要。
暑い夏も、
寒い冬も必要。
どれか一つだけでは、
植物は育ちません。
人の暮らしも、
きっと同じなのだと思う

目の前で、
少しだけ割れ始めた綿の実を見ながら、

今年もまた、
自然が教えてくれることを受け取っている

布は、
お店から始まるものでも
工場から始まるものでもない

布は、一粒の種から始まっている

そしてその小さな命は、
いつか誰かの肌をやさしく包む一枚の布になっていく

また、
循環する自然のリズムや完璧さに
心が温まる

そして、私は30年余り、
石けん、ハーブ、アロマ、
味噌や発酵などを教えてきました。

でも、
私は「教える」ではなく、
今の私は、「教わっている」のだと感じている

「教える」は答えを持っている人。
でも「教わる」は、自然に耳を澄ませている人

植物は、
「これが正しい」とは言わない

ただ、春になれば芽を出し、
夏には葉を茂らせ、
秋には実を結び、
冬は静かに眠ります。

その姿を見ているうちに、
私たちのほうが生き方を教わっている。

最後まで
読んでいただき、ありがとうございます。

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