シリーズ:23歳の一歩が、人生を連れていった場所⑦40歳のリミットと、最後の挑戦
40歳になる、少し前のことでした。
そのとき夫は、
永住権の申請に必要な英語のテストを、
何度も何度も受けていました。
40歳を過ぎると、
年齢によるポイントが下がり、
そもそも申請自体ができなくなってしまう。
時間は、もうあまり残されていませんでした。
「このテストで合格点が取れなければ、
あきらめるしかない。」
これが最後だ!
そう思って受けた、英語のテスト。
結果を見た瞬間、思わず息が止まりました。
合格点。
その瞬間の気持ちは、
今でもはっきり覚えています。
まるで、
もう永住権が取れたかのような、
そんな錯覚をするほどの喜びでした。
「やっと、合格できた…」
挑戦することを決めてから
6年が経っていました。
年末年始の忙しい時期。
仕事の合間を縫って、
必死で書類をそろえました。
そして、
40歳の誕生日を迎える、
ほんの数週間前。
無事に、永住権の申請を出すことができました。
「間に合った。」
そのときは、
心からそう思っていました。
審査には、約53週間かかると聞いていました。
申請してから、約1年。
「そろそろ結果が来る頃かな」
そんなふうに思い始めていた矢先でした。
突然、
エージェントから連絡が入ったのです。
「申請を、やり直す必要があります。」
頭が真っ白になりました。
「え……もう、だめだ。」
ここまで来て、また最初から?
1年も待ったのに・・・・・
正直、心が折れかけました。
でも、その直後。
エージェントは、こう続けました。
「サウスオーストラリア州に
最初の2年間住む、という条件であれば、
まだ可能性があります。」
その話を聞いたとき、
迷いは、ほとんどありませんでした。
「それしかないなら……それで。」
そう答えたところ
エージェントの人が、
その日のうちに、申請書類を整えてくださり
提出してくださいました。
