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#19【実録】華やかな世界の裏で本当に怖かった話

「ご指名ありがとうございます」


シャンパン
ヘネシー
オーパスワン


キラキラしたドレスを身にまとい

毎日専属のヘアメイクさんに
髪型を整えてもらい

たくさんのお客様と
お酒を酌み交わした。


周りから見れば
憧れの世界だったのかもしれない。


でも…


光が強ければ
闇も深まる。

———

私が最初にそれを実感したのは


ある社長から指名を頂いて
3ヶ月目のこと。


家の隣のコンビニに
見た事あるベンツが
止まっていた。


コンビニに行こうと思っていた私は

車が社長のものだと
即座にわかり

家に引き返した。



最初はたまたまかなと
思っていた。

———

でも

その翌日も…
またその翌日も

そのベンツは
コンビニの駐車場に止まっていた。


え?私の家知ってる?
まさかね…



その事をボーイさんに話すと
最近その社長に
家をバレるような会話を
していないかを聞かれた。

会話を思い返しても思い当たらない。

———

その時
ふと思い出した。


社長からいただいた
タクシーチケット。


送迎が遅くなりそうな日

自宅の隣のコンビニまで
使っていた。

何気なく使っただけだった。


でも…


もしあれが
理由だとしたら…。

———

そう思った瞬間

もう一つ
気になることを思い出した。

数日前

「クリスマスだから」と
社長からプレゼントされた腕時計。


ゴツめのブランド物だった。


その場ですぐ腕につけて
社長に見せた。

でも


その時計は
たった一日で止まった。

———

ブランド物なのに?
電池切れ?
使い方間違えたかな?


不思議に思いながらも
そのまま放置していた。


その時は
ただの故障だと思っていた。

でも…
家のこともあって
いろいろ考え始めると


すべてが不審なことに思えてきた。

———

自分でその時計に触るのも
怖くなって

知人に頼んで
時計店へ持って行ってもらった。

すると帰ってきた知人から連絡があり


「時計の中に
 本来入っているはずのない
 部品が入ってたって。」


———

時計店の人も

何の部品なのかまでは分からず

「専門のところで
 調べてもらってください」

と言って
時計を返してきたそうだ。


それが何だったのか。

位置情報だったのか。
盗聴器だったのか。

それとも
全く別のものだったのか。

———

結局

私は調べる勇気がなかった。

怖くて…

そのまま知人に
処分をお願いした。

そして家も引っ越した。

———

他にも
家がバレて
お客様が突然訪ねてきたり。

インターホンを何十分も
鳴らされ続け
警察を呼んだこともあった。



そんなことが
この一度だけじゃなかった。


結局
私はその後も二度
引っ越すことになる。

———

そして…
そんな出来事だけではなかった。


夜の世界では


自分の予想を超えてくることが
起こる。


それを知ったのは
ある常連のお客様だった。

———

妊娠前から

指名してくれていたお客様がいた。


最初は
別の女の子の指名だった。

その子が辞めてから

私を指名してくれるように
なった。

———

最初は
月に数回来る程度。

でも少しずつ来店頻度が増え

シャンパンを入れ


やがて毎日のように
オープンからラストまで
いるようになった。


夜の仕事をしていると

そういうお客様は
珍しくない。


だから私も
特別おかしいとは思わなかった。

———

そして出産を終えて

お店に戻ると



そのお客様が
ボーイとして働いていた。



驚いて社長に聞くと

———

社長からは


会社のお金を横領してまで
店に通っていたと
聞かされた。


会社を解雇された上に
横領したお金を返済するのに
働き先がなく

社長にお金を貸してほしいと…
そして雇ってほしいと

頭を下げてきたという。

———


私は言葉を失った。



私が接客していた時間は
その人にとって

ただ"お酒を飲む時間"じゃなかった。


人生そのものが


少しずつ壊れていく時間
だったのかもしれない。

———


夜の世界は華やかだった。


でもその裏では


人の執着や孤独


そして常識では
考えられない出来事に

何度も出会った。



日常と非日常の間にある
あの世界は

時として
人の欲望をさらけ出してしまう。


そしてその欲望は
思っている以上に姿を変える。

———

夜を照らしているあの光は

太陽のように
すみずみまでは
照らしてくれない。


欲望はネオンの下では見えにくいのだ。

#20【実録】返ってきたスマホに入っていた動画の話につづく…

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