よれた字の遺書がA罫で踊る
アプリケーション・人間.exeを終了します。怠惰な生活のライセンスが無効になりました。授業中に秘密で書いては内緒で愛してきた大長編冒険小説が何の役にも立たない事を知って、いい加減に認めるように心掛けてください。
此の部屋に在る物で一番高価な枕に齧り付き、おいおいと泣き強請るのはレールが予め敷かれていた人生だ。現状では上手く走り続けるのはおろか踏み外しての転落すら出来やしない。
カーテンを彩る黄色と黒色の小さな円形が偶然重なった時には、去る季節に飛行機雲の裂け目を上手く横切った蝸牛の骨に想いを馳せている。死んだ目と云う表現があるけれど一体全体如何して猫背のカシュナッツは線香もくれないのか。性に目覚めたのは鞠つきをしている幼馴染の白い服の背に浮いた肩甲骨のカーヴが切掛だった。あれは屹度天使の示し合わせだった。
もう、もう、すべてが、全部が、厭になってしまった。だから、赦して欲しいとも愛して欲しいとも思わなくなった。皺の寄ったセロファンに涙を遣れば其処に花が咲う、だとして此れもまた、試したいとも思わなくなった。
もし、其処の御若い方。随分と顔色が悪いね。お家に帰って、生命源ケーブルを確りと繋ぎ直したら再起動をなさい。
