地図にさす目薬
愛情の試し行動が辞められない大きな子どもの嗚咽と白状はタイプC端子の有線イヤフォンでだけ聞くことが出来る。笑顔が可愛くって所作に品のある娘を十三階段の下に突き飛ばして咲いた薔薇を摘むのは誰方なのでしょうね。半日前に抱いていた感情に適した呼称をずっと探していた。シンデレラだって靴擦れを我慢していたのかもしれないのだと云う空想の渦に手を引かれてからは全てが厭になって、長年積み上げてきた玉葱を蹴崩した。
効率化と可視化ばかりに拘った彼奴なんざ、秩序か混沌かの二元論を説く売れない占いの広告に包んで沼の餌にくれてやれ。二階調に育つはずの写真は閾値を教えて貰えなかったからと俯いてもじもじと足を寄せ合わせたが、平手一ツで無難な描画を行えた。だから最近の新聞には凄惨な〝いじめ〟の記事がびっしりと敷き詰められるのである。
午前五時に息を殺して足音がコンクリートに沈むのを感じていた。過敏な神経では其れすらも強い刺激で、妙に癖になる。若しあの靴裏が砂を引き摺っていたなら、発狂していたのだろうと思う。けれどどうしたって止められないのは、既に何処か、なにか、狂っていたから。違いないね。仕方がないね。
