脇腹では多肉植物が
金糸雀がくれた脱脂綿に非常識液を含ませて臍の周りを拭いたら、わたくしは〝何処に出しても恥ずかしくない子〟に返れる気がします。初めてのアルバイトを飛び、二階のベランダからも飛び、悪いお薬でまで飛んで、鳥に憧れ幾星霜。五千円のギア付き自転車には翼が貰えそうにないから、唇をむつと噛んでいる日々には怠惰を赦す敷物をあげましょう。次に一緒にお買い物に行ける時には油を差しておくようにしますから、どうか絶望の中途退場だけは止してください。
稀に、わたくしには〝視える〟日が有ります。誤って蹴飛ばして倒れた小箱が嘔吐する幾千のビーズの如く、個々を拾うのは難儀を伴うのですが、先程迄隠れていた人間の心がどの色をしているのだか、手にも取れないのに解って仕舞うのです。ええ、奇妙なお話だとは思いますし、信じ難い現象であるなとも認めております。キリンの模様がよく見たら不気味であるように。バクの性器がおぞましいように。注視する毎に解像度は上がってゆきます。
あら、お待ちになって、此れは占い屋の売り文句ではありません。先日受けた問診の際に渡した述べの一ツにしか過ぎません。怪しい者ではないつもりですが、頭の回路がおかしい者であるとは、わたくしも思います。
