界隈の采配
ペットボトル飲料で溺れてしまう程に現代は腐臭を放って、〝普通〟の何たるかを知らない儘のアダルト・チルドレンは空想上の〝普通〟を模倣しては枕に頬をつけて反省以下の反芻を反復していた。和三盆を口一杯に含んで視る空は輪状の折紙を連ねたのに呼ぶ友だちも特には居なかった誕生日会みたいに青い。いっそ腹の立つ位の好天にはカスタードを掴んで投げてやれ。
流通が不安定なの、等ととぼけて処方薬が手の内から去っていく虚脱感は思考に霧を残した。生殺しのミートパイは只々、クルマ離れができる若者を羨んだ。こんなセンシティヴィティに富んだ日は浴槽に抱き着いて向う半年の予定をすっかり洗い流そうじゃあないか。やれ血合いが、やれ香辛料が、言われたって隣家のヨウムは口を噤もうとしない。
死んでしまうことは怖くないが、死に損ねることがおそろしくてならない。覚悟や勇気が要るのは命を断つ為の行動ではなく未遂に終わってからの人生を受け入れる事についてではなかろうか。箱詰めのプラスマイナスに問えば此方へちらと視線を寄越したが、だんまりを貫く心算は泉よりも透けて見えていた。
