ティファニーで冒涜を
俯いていちゃいけないよ。前を向こう。貰った命は大切にしなくちゃ。あなたはかけがえの無い存在だよ。死にたいは生きたいの裏返し。言ってごらん、叫んでごらん、生きたいよって。躓きながらでもいい、みっともなく泣きながらでもいい。進もう、少しずつでも。お日様はみんなを平等に照らすから。あなたもまた歩けるようになる。
うるさいなあ。
文字通りに小蠅が纏い付くような如何にもの美辞を出力する事は、人工知能にも可能らしい。当たり障りのない集合知、ならば致しようも無い。この瞬間も類似した綺麗なことばを選ぶお人も、必要とするお人も居りましょうて。熱膨張をしたがる痩細ったリチウムバッテリーを目掛けて唾を吐く思いだ。仮に発火・引火し、流れで何もかも灰になったって構わないと思えるような投げ遣りの背中合わせで、自治体による張り紙に描かれていた避難経路を思い出そうとした己が忌わしい。
放っておいてくれ。優しくしないでくれ。希望も絶望も汲まないでいてくれ。今日は具合が悪いんだ。〝今日は〟? 昨日はどうだった? 一週間前は? ひと月前は? 此処十年はコンディションが抜群であったためしなどあったろうか。気力か舞い込むのを転がって待っていたとて、そんなものは自然現象や生理現象には含まれないのだろうから、運良く死んじまうほうが先なのではなかろうか。突然死ではなく、苦しみ悶えての死に繋がる疾患が芽生えるという意で。
あーあ。脳の中に赤い屋根のおうちを建てて暮らす物体の声が、うるさいなあ。
