揚羽蝶なら手首切って死んだよ
認知が歪むこと二十四・一ピクセル。大仰な包帯を巻いて己の心身を抱き締める夜は虹の橋を渡り、時折彩雲に化けて出現する。史上最軽量の眼鏡と星五つのレビューを誇る薬包紙だけで街に出よう。角度様々悲喜交々の傷跡は皆かッ開いた目であります故、コンタクトレンズは何枚用意するのが適当でしょうか。通信販売の注文履歴を幾度も幾度も更新しましたが、健やかな心は未だ発送もなされていない模様。カスタマーセンターは分からず屋から向けられた刃を取り払うに手一杯らしい。
茶器に叩きつけたベリー・ジャムは何を以て幸福だと認め乍ら底面で指を組んで、水責めを只、待つのだろう。知りゃアしないさ、と、最期の土産に鴉の羽根を三枚、持たせてやるとしましょうか。軈て貴女が曇り明けから伸びる光の梯子を上る際、明度の混じり気に白い目をゴロゴロと拾い集めるがいい。
陰影を寝床にした入眠恐怖を患う紳士の、尖った帽子は元に戻せません、再度申し上げますが尖った帽子は元に戻せやしないのです。夢に直向きな少年少女を隠喩に用いれば屹度より正確に、痛切に、伝わるのでしょう。
量り売りのキャンディが全員揃って此方を凝視している。宛ら、真新しいシャツに入った一本の皺の如く。招いた口腔でも礼儀知らず、厭に細かな光を放っては跳躍を止しません。噛砕いても尚、其れは往生際悪く。こんなものが可愛くって堪るか。まるで十七の頃意識不明の先を跨ぎきれなかった自分の惨めな生き様みたいじゃあないか。いよいよ、屈折率の高い性格は現状を放棄したがり始めました。
カンカン、ドンドン、と何か訴え掛けて来たり下手糞なピアノ演奏の幻聴をイヤリングにしては、知らン振りもそろそろ苦しゅう御座います。新しい朝が希望だったためしなど無い。睡眠導入剤を胸に放り込んで逃げる先に、朝は要らない。なのに、どうして。
