孤独な蠱毒の如く
耳孔に滑り込んでしまった毛虫を誘き出すべく一晩蜜に漬けた綿棒を光らせて見せた。閉塞感の中で内緒の日記はうぞうぞと悪足掻きをしたのち二、三の破裂音を最後に御釈迦と成った様子で、充分に煮詰めたシチューよろしく、とろりとアラビア数字の具を連れて眩暈の形をした汁が垂れてきました。
昔、警察官に憧れていたのだ、だのにどうして、どうしてと銀匙に膝を着いて慟哭する橙をした液も背中では幼児の平仮名練習帳の役目に張り切っており、余りある激情へ蛇の柄として這い回る低音は慰みの枝垂れ咲を個々にこうべを埋めさせてゆく。けれど伏し耳の猫がちょいと前足で潰してしまいますから、探偵は此のざまについて、何度鉛筆の尖端を舐めるのでしょうか。
雲々が抱き込んだ稲妻は赤子らしからず脂ぎって、次の駅までに要する徒歩時間を東と西とで指差し較べては歓声を上げる。愉快気に叩かれる両手が些かばかり光沢を纏っている。丁度、生殖器官辺りに埋め込まれた十字架のように。あれが自転車のオイルとして転生できたなら、鍵には子鈴が付いた気色の悪いキーホルダーをあげましょうね。
八分の七拍子に足を盗まれたっきり、もう戻れない憧憬の迷い線を懐かしがるまでもなく、例えるならばタールに汚れたお人形の髪がなお此方へ笑んでくれること宛らで。
