耳朶ちぎりサラダ
蜥蜴にしっとり白粉を埋め込んだらどんな花束が高速道路に身を投げると思う? 片頭痛が唯一の悩みである絵画から伸びた踝の勇気が矢庭に評価された頃、ヤスリに犯されて貌を覆った黒い失意がめそめそと作り話を供述していた。視界の下の方に窺える白樺のツノは細くて長いものが一本、太くて長いものが三本。それはそれは立派な蛸を先端に灯していたから、危うく余生と見紛うところだった。
長年に亘って飼い殺していた澱粉糊は不服そうに自慢の口唇をぷるぷると開閉させ、紙風船の夫妻に関した悪い噂の流布に没頭している。水晶が降ると云う文言の通りに今日は誰かの予感の数数も左右の靴が一つずつ拾って綺麗に磨くから、膝丈の砂鉄がいつもより軽い。自己犠牲の先に聳り立つタロット・カードの塔では悶着があり、剽軽な姿勢を選べた者から順に許されていく。久しぶりに光を浴びて溶けそうになっているポメラニアンであれば問題は無さそうだ。
無駄を嫌って酸っぱい恐慌を跳ね返し、物語は面倒な方向にばかり転んでゆく。柔軟剤の匂いを纏ったテディ・ベアを確りと抱きかかえる少女の靴下には〝序章〟と刺繍されていた。何方が幾ら泣いても笑っても、あれこそが如何しようもなく晴れた青空なのです。認めなさい。
