強がりで喉を潤す

微風が連れて来た郷愁は薄く青く、わたくしの手に捕まえられた瞬間には駄々ッ子めいた小暴れと鳴き声を立てて抵抗の態度を見せていました。そいつを鞄に詰め、捨て猫に遣るふうな待遇として先ずは浴室に連れて行ったのですが、取り出した途端にくたりと白い泡の塊となって床に落ちてゆきます。見掛けはそうなのだけれど、地に接触した刹那に鼓膜に届きましたのは金属音。彼なりの断末魔だったのかもしれません。

昨今、サラダは綺麗に盛り付けられており、取り分けやすくなっています。ガラス製のボウルいっぱいの語彙には、自制と見栄を調合したドレッシングをあげましょう。磔にされた常識とやらの呻きなら、洒落た飾り彫りのフォークに育てて。戻りと進み・左と右の意識が混在してしまった際には、ぴったりのお歌を作って差し上げましょうね。

一思いに感情を掌で有刺鉄線に塗りたくってやりたかった。わたくしが背負った抑圧的な生きざまの天地を逆さにしてやるみたいに。年配者の手助けを買って出ますし、バス停のベンチに腰掛けるにもそわそわと落ち着かない。惰性の善を心の中に隠したまんまで、汚泥みたいな空からの迎えをずっと待っています。ずっと、ずうっと。