宵醒し

胃を喉をと迫り上がる余白を吐く。秒針の回ること回ること残り僅かな、便器に咲いた薔薇どもの喘鳴がやけに愛しくて。沼池への道程なら随分と税金を督促されているツユクサが教えてくれる。遂に今宵の伽の相手のつらはやがて歪み、真ッ黒な洞を開けてしまった。眠れ眠れやニタニタと、口の悪い洗濯機の立てる渦の、卑くないものだろうか、否。

風変わりな店先に並んでいた六ツ歯はとっとと朝顔の病的に伸びるに歓声を遣ることも鬱陶しく思う植木鉢――または乳母の悍ましいまでの群れに撒いてゆく。疲弊する九時を掻い潜った小銭を握り潰す如く、其れは答える。あなたはとっくに生きているのです、残念ですが近々倖せになります。卜いよりも胡散臭い小夜曲だった。

割箸が砕けたポスターに囲まれる趣味の一環で悪足掻きをした後の夢のように長細い沈黙味のビスケットを咥える習慣を、保健室の看板など掲げていながら彼は一切を止めようとしなかった。
「ただ、あれの名前が知りたいんだ。あの、まったくもって清く死臭を放つ、メントールの形をしたあれ、の名を」
ごねた彼の両腕に遇らわれた刺繍には、単四電池が必要らしい。

檸檬を齧って、フラッシュ、ぱんっ。はい、御用は此方の神話番号まで。