接吻はCMの後で

うっかり手が届いていた月をグミに変えて、宵でオセロをしましょうよ。ジャム瓶がなかなか開封できない事を消える理由にしたがったわたくしを、あなたは決して笑い飛ばさずに、けれど手を握って飄々と口笛で〝聖者の行進〟を時々半音ほど外しながら吹いていてくれましたね。ガードレールの足元では人生の前輪が無惨にひしゃげていますから、目一杯に摘んできた竜胆をぱあっと敷き詰めてゆきましょう。

あの日あの時に文字通り蛙化した元人間のしっとりと汗ばんだ背中をまだ憶えています。葉脈から注がれる牛乳を沢山飲めば身の上話に脂を乗せられますでしょうか。例えばくまちゃんのキーホルダーを振り子にしても催眠術はきちんと掛かるように、写実的要素が蔦となり史上最高の速度で伸び回って眼鏡をすっかり絞め落としてしまいますから、最適解は顕微鏡を覗いた先にある顕微鏡の、そのまた先で会得する必要があります。

文学的な構成を持つクリームの出身絞り袋がお洒落に気を遣い始めたので、其処彼処で共鳴し合う個包装のシラップどもにもお集まりいただき、知らない間に成熟してしまった心について皆で涙を酌み交わしたいものですね。
不変というものには変がつきものです。意する所は変化であり、狂気や物珍しさでもあることでしょう。