餅は餅屋、鬱は鬱屋
乾いた喉には文字を詰め込みましょう。独立した文字そのものを沢山集めてミキサーにかけ、人類の味がするスムージーを作りましょう。タイピングが次々吐き出す任意の辞世の句を砕いた物がとびきりのスパイスですよ。台所に立つ際は一ツ、お試しいかが。
よれた翅でも健気に花を飾る蝶を見、ふうわりと想起したバタフライ・エフェクトと云う言葉の意がいつも直ぐに行方不明になってしまいます。ちゃんと、繋いでおかないといけませんね。さもなくば薄雲より手前側で満月が光る事でしょう。果たして狼男が現存するならば、オーヴァー・ドーズよろしく苦悶の伴う死を迎えてしまうかもしれません。
宝石を模したちゃちなプラスティックですら固有している価値を自身に感じられなかった家出少女は、中年の毛深い腕枕で端末上にすいすいと器用に画面を長く整えた綺麗なネイル指で触ってレタスを冷たいものに替える次の約束を探しており、男からの酒臭い名呼びの声、少女すら知らないその名前は聞こえない様子でした。
あらゆる生活の工夫が誰ぞの〝ライフハック〟で始まる記事の一行目で安易に砕かれてしまったような気分です。今夜の貴方は何処へお出かけをしますか。やつがれは成人してもなお門限を設けられて、それを破って強く叱咤される想像へ未だ震えていて、長い階段にガラスの靴を残す事すら出来そうにありません。
