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豊かな想像力は、時に自分を殺す。

「感受性が豊かだね〜」と言われ続けて二十数年。豊かな感受性を言語化することに喜びを覚え、自身のアイデンティティと信じて疑わなかった。最近はなんかどうでもいいことはどうでもいいと思い始めてきたので、若干鈍感になりつつあることが少し寂しく、その一方で感情の揺れが少なくなったことも事実なのでストレスは溜まっていないことに安堵し、なんとも複雑な今日この頃。

そう、何事もフィクションよりノンフィクションが好き。作り話でも、リアルであることを前提としたものが好き。なので、「実は魔法が使えた」「モンスターを倒して仲間になっていく」みたいなものに全く入り込めない。ハリーポッターも食わず嫌いの極みで全く見たことがなかった。1年前にやっと見たけど。ファイナルファンタジーもドラゴンクエストも、ポケットモンスターも体験していない。
その根底には「共感できない」という感情がある。「どうせ作り物でしょう?」と斜に構えたがる習性は染み付いている。そのくせ、昔から政治とか社会のニュースには人一倍関心があった。夢物語よりも、いま、現実に世の中で起こっていることの方が興味がある。ほんまに幼少期の自分の思考は可愛くなかったと思う。憎たらしいほどに。


リアルには共感できすぎてめっぽう弱い。涙腺がすぐ緩む。まずはこの動画を見て欲しい。

初見でボロ泣きした。
コロナ禍の終わりが見えつつあった時期に、「会いにいく」に焦点を当てた作品。登場する名もなき人たちにも家族がいて、仲間がいて、大切な人がいると思っただけで泣けてきた。共感しまくりである。会いたい人には会いたい時に会いにいくべき。

好きなテレビ番組は、NHKの「ドキュメント72時間」。ありとあらゆる街角で72時間の定点観測を行い、訪れる人の話を聞いていくというもの。出演するのはホンマに一般人。でもそれぞれに事情があったり、悲喜交々。それでも毎日を生きていく人の背中がたまらなく眩しく、愛おしい。


そう、結局のところ、「人間臭さ」が大好物なんだろうなと思う。

就活のときに参加した、ある企業のインターンシップ。最後の質問コーナーで、中堅社員に対して「あなたの夢はなんですか?」と問いかけた。答えは、「安定した生活を送っていくことですかね。」
当時はなんてつまらない社員だ、こんな夢のない社会人は嫌だ、俺は絶対この会社には行かないと心に誓ったものだが。青かったねぇ当時の自分。

安定した生活は、弛まぬ努力の上に成り立っている。

なんとなく、それがわかり始めた。


日常は残酷なほどに続いていく。
どれほど良いことがあっても。
どれほど最低なことがあっても。

それでも腹が減れば飯を食い、
生きるために銭を稼ぐ。
自分で働いて稼いだ金で食う飯は最高に美味いし、飲む酒はべらぼうに美味い。
そんな1人1人の感情がとても尊く感じる。

この前も夜のスーパーで半額の惣菜を物色する、介護事業所の制服を着た主婦を見て、
「こんな遅くまでお仕事大変やなぁ、、、家には子供がいるのだろうか、職場の自分と、家庭の自分の狭間やなあ、、」とか勝手に想像したら止まらなくなった。日常を生きる人々は等しく尊い。

でも、時に他人を慮るあまりに、自分を犠牲にしてしまうこともあるので、
「豊かな想像力は、時に自分を殺す。」
肝に銘じておきましょう。

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