Tom Johnston / Everything You've Heard Is True

ドゥービー・ブラザーズは、マイケル・マクドナルドがグループの主導権を握って以降、それまでの豪快な作風からAOR的な洗練に向かったとされる。その中で、グループ創始者のひとりであるトム・ジョンストンは、マイケル・マクドナルドの台頭と入れ替わるように脱退したことで、意地悪く見ればその流れから落伍したかのように見える。

しかし、かつての豪快さは確かなファンキーさを備えたものであり、そのファンキーさを受け持っていたのがトム・ジョンストンだった。そのことは、1979年の初ソロ作『Everything You've Heard Is True』を聞けば瞭然だ。全編で展開される、「かつて」を踏襲しつつ気持ちよくハネるサウンドには、持ち前のファンキーさに加え、同時期のディスコからの影響も見て取れる(収録曲のBPMがおおむね120前後であることは偶然だろうか)。

そのような同時代性は、けだし古巣ドゥービー・ブラザーズのAOR的展開の優れたバリエーションとして聞けるだけでなく、上記「落伍した」への反証としても強く働くに違いない。「What a Fool Believes」や「I Keep Forgettin’」はもちろん聞くべき。けど、こっちも聞こうよ(聞いてたらごめん)。

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