【末っ子娘との時間①】私『たこ焼き買ってやろうか?』長男『いらん』 ─そして私は4歳の娘を抱き上げた
先日、長男に何気なく声をかけた。
「たこ焼き買ってやろうか?」
昔なら喜んでいた言葉だ。
小学生の頃は、たこ焼きでもマクドナルドでもアイスでも、ちょっとした特別感があるものには素直に反応していた。
ところが返ってきた言葉は、
「いらん」
だった。
別に機嫌が悪いわけではない。
怒っているわけでもない。
ただ、本当に必要なかったのだろう。
その瞬間、少しだけ寂しくなった。
最近の長男は中学2年生になった。
スマホを持つようになり、学校の話はあまりしなくなった。
親の言葉も以前ほど届かない。
何か聞いても、
「別に」
「普通」
で終わることも増えた。
小学生の頃の素直さや可愛らしさは、ずいぶん減った気がする。
もちろん大きな反抗をするわけではない。
学校にも行く。
友達とも遊ぶ。
でも確実に、親から少しずつ離れていっている。
そんなことを考えていると、4歳の娘がやってきた。
「おとうさん!」
そう言いながら抱きついてくる。
私は思わず抱き上げた。
軽い。
まだ小さい。
そして何より、親と一緒にいることを喜んでくれる。
長男も昔はそうだった。
抱っこをせがみ、
手をつなぎ、
たこ焼きを買えば喜び、
今日あった出来事を全部話してくれた。
それが当たり前だと思っていた。
しかし今思えば、あれは永遠ではなかった。
子どもは少しずつ親から離れていく。
それが成長なのだと思う。
親から見れば寂しい。
でも子どもから見れば、それは自然なことなのだろう。
最近、年齢の近い兄弟を育てている家庭を見ると考えることがある。
子育てらしい子育ては、本当にあっという間に終わってしまうのではないか、と。
その点、我が家は少し特殊だ。
長男は中学生。
次男は小学生。
長女は4歳。
子育て期間そのものは長くなるが、その代わりに今の私は、
「中学生の親」
「小学生の親」
「幼児の親」
を同時に経験している。
これは後から振り返ると、とても贅沢な時間なのかもしれない。
思春期の長男を見ながら、
宿題に取り組む次男を見て、
抱っこを求める長女を抱き上げる。
親から離れていく姿と、
まだ親を必要としている姿を、
同じリビングで見ている。
こんな時間は人生の中でも数年しかない。
だから今は大変でも、
将来きっと懐かしく思い出すのだろう。
もちろん毎日が幸せなわけではない。
兄弟げんかもある。
小言も言う。
仕事で疲れて帰る日もある。
それでも最近は、仕事から帰宅して騒がしいリビングを見ると少しだけ愛おしく感じる。
10年後には、この景色はもう存在しない。
長男は大人になり、
次男も親より友達を選び、
長女も「お父さん見て」と言わなくなるだろう。
だから私は、今日の「いらん」を覚えておこうと思う。
あれは親子の距離が広がった証拠ではなく、
長男が自分の人生を歩き始めた証拠なのだから。
そして同時に、
今も隣で抱っこを求めてくる長女の重さを、しっかり覚えておこうと思う。
未来に残す一文
子どもは突然大人になるのではない。少しずつ親から離れ、そのたびに親は今ある時間の尊さを知るのだ。
English Title
“Want Me to Buy You Some Takoyaki?” “No Thanks.” — And Then I Picked Up My Four-Year-Old Daughter
English Summary
The other day, I casually asked my teenage son if he wanted some takoyaki.
“No thanks.”
It was a simple answer, but it made me realize how much he has changed since entering adolescence.
He no longer tells me everything about school. He spends more time on his phone, listens less to his parents, and is gradually building a world of his own.
At the same time, my four-year-old daughter still runs toward me with open arms and asks me to hold her.
For a brief moment, I found myself standing between two different stages of parenthood: watching one child leave the harbor while another still wants to stay close.
It reminded me that childhood is much shorter than we realize.
Children do not suddenly become adults. They move away little by little, and each step teaches parents how precious the present moment truly is.
