いよいよ夏至、残りの半年をととのえる
6月も、もう半ば。
窓の外の緑が深まり、
空気が少しずつ変わっていくのを
感じる季節となりました。
一年で最も昼が長く、夜が短い「夏至」。
今年は6月21日から、いよいよ夏至に入ります。
夏至とは、光の区切り
夏至とは、
太陽の南中高度が一年で最も高くなる日。
古くから農作業の重要な節目として
大切にされてきました。
太陽の恵みを全身で受け取り、
次の収穫へとつなぐための「光の区切り」と、
いえるかもしれません。
影が一番短い
正午になれば、
太陽はほぼ真上から力強く照りつけ、
足元の影は一年で最も短くなります。
その鋭くも輝かしい光は、
季節の転換を力強く告げています。
秋の夜長、夏の短夜
「秋の夜長」という言葉に親しむ一方で、
この時期の夜は「夏の短夜(なつのみじかよ)」と呼ばれます。
薄明かりの中にすぐに朝の光が混じり合う、
あの短い夜の静寂。
瞬く間に過ぎ去ってしまうからこそ、
その時間はどこか儚く、そして尊いものに感じられます。
梅雨で太陽の姿が見えないが、
今はまだ梅雨の真っ最中。
空を覆う雲で、
太陽の姿を実感する機会は少ないかもしれません。
しかし、雨の合間にのぞく日差しには、
確かな強さが宿っています。
雨に濡れた大地から立ち上る湿り気と、
少しずつ濃さを増す日差し。
私たちは今、本格的な暑さの入口に立っているのでしょう。

夏枯れ草(うつぼぐさ)
山野に目を向ければ、
「夏枯れ草(うつぼぐさ)」が静かにただずんでいます。
夏至の頃にその花穂が茶色く枯れることから
名付けられたというこの花に、
自然の冷徹なまでの正確さを教えられます。
季節は、私たちが思うよりもずっと早く、
着実に次の景色の準備をしているようです。
アヤメの花が見ごろを迎える時期
雨のしずくを纏ったアヤメが、美しく彩る時期となりました。
実はこの花、平安時代の文学を紐解くと、
興味深い歴史が浮かび上がってきます。
かつては端午の節句の菖蒲湯に使われる
「サトイモ科のショウブ」のことを、
人々は「アヤメ」と呼んでいたのだとか。
江戸時代に入ってから、
現在のアヤメ科のアヤメを指すようになったと言われています。
ショウブ、カキツバタと、
見分けのつかないほど似た花が多いのも、この季節ならでは。
「いずれアヤメかカキツバタ」という諺(ことわざ)は、
どちらも優れていて選びがたい様子を言い表したものですが、
雨に濡れるそれぞれの姿を見つめていると、
その迷いさえも愛おしく感じられます。


アヤメ:
花弁の付け根に網目模様があり、
気高い美しさを秘めています。
ハナショウブ:
付け根の黄色い筋模様が特徴で、
水辺に寄り添うように咲く風情があります。
カキツバタ:
付け根の白い筋模様が清廉な印象を与え、
見る人の心を洗ってくれます。
冬瓜、枝豆、カンパチを楽しんで、乗り切ろう
本格的な夏を前に、
身体を整えることも大切にしたいですね。
水分をたっぷり含み、身体の熱を逃がしてくれる「冬瓜」。
旬の香りが食欲をそそる「枝豆」。
そして、脂が乗りつつも爽やかな味わいの「カンパチ」。
これらの季節の恵みを選んでいただくことは、
これから訪れる暑い季節を健やかに乗り切るための、
「お守り」のようなものです。
慌ただしい日常の中にあっても、
こうした季節の節目を大切にすることで、
心も静かにととのっていきます。
皆さまも、どうぞご自愛ください。
この夏至から始まる一連の季節が、
皆さまにとっても健やかで穏やかな、
残り半年の始まりとなりますように。

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