「飛ばそうとした瞬間、ボールは逃げていく。」― フェアウェーの風に誘われて 季節(とき)と歩く18ホール ―
ゴルフは、不思議なスポーツです。
力いっぱい振れば遠くへ飛びそうなのに、そういう日に限ってボールは言うことを聞いてくれません。
年齢を重ねた今だからこそ気づいた、「力を抜くこと」の難しさと面白さ。
昨日のラウンドでも、そんなことを何度も教えられました。
昨日も、お気に入りのBGMを流しながら、愛車をゆっくり走らせました。
窓の外には夏の景色。
「今日は調子がいいかもしれない。」
そんな根拠のない期待を胸いっぱいに詰め込み、仲間が待つゴルフ場へ向かいます。
もちろん心のどこかでは、あわよくば今日の優勝も狙っています。
月一ゴルファーには、出発前だけはプロにも負けない自信があるものです。
ところが、一番最初のティーショット。
「今日は飛ばすぞ。」
そう思った瞬間、体に力が入りました。
思い切り振り抜いたはずなのに、ボールは思ったほど飛びません。
それどころか、右へ押し出したり、左へ引っ掛けたり。
「あれ?」
さっきまで車の中で思い描いていた理想のゴルフが、わずか数秒でどこかへ消えてしまいました。
不思議なことに、
「もう飛ばなくてもいいから、フェアウェーへ行ってくれ。」
そう思い始める頃には、肩の力が抜けます。
すると、クラブは自然に振れて、ボールは気持ちよく飛んでいくのです。
力いっぱい振った時より、ずっと遠くまで。
ゴルフは、本当に理屈ではありません。
もちろん、頭では分かっています。
力むと飛ばない。
ゆっくり振った方が飛ぶ。
何十年ゴルフをしていても、この事実だけは変わりません。
それでも目の前にボールがあると、
「もっと飛ばしたい。」
という欲が、理性をあっという間に追い越してしまうのです。
その結果、
ダフったり、トップしたり、
右へ行ったと思えば、今度は左。
反省しても、次のホールではまた同じことを繰り返す。
学習能力は……サル並みと言いたいところですが、それではサルに失礼ですね。
でも、それでいいのだと思っています。
毎回思い通りになってしまったら、きっとゴルフはこんなに面白くありません。
「次こそは。」
その一球のために練習し、
その一球のために早起きし、
その一球のために仲間と笑い合う。
だから私は、またクラブを車に積み込みます。
ゴルフとは、ボールを飛ばす競技ではなく、自分の心と付き合う時間なのかもしれません。
そして来月もきっと、同じように力んで、同じように反省し、同じように笑って帰るのでしょう。
それもまた、月一ゴルファーの、ささやかな楽しみです。
フェアウェーには、毎回違う風が吹いています。
だからゴルフは飽きません。
私も、いくつになっても、その風に誘われながら歩いていこうと思います。
このブログでは、そんな何気ないゴルフの一日を、これからも気取らずに綴っていきます。
またお時間のあるときに、どうぞ気軽に遊びにいらしてください。
