特現対24時 第42話「春空に響くリフレイン」
陽気が気持ちいい春の昼下がりだった。
かおるは公園を歩いていた。

今日はかおる一人である。
公園を歩いているとどこからか音楽が聞こえてきた。
路上ライブでもやっているのだろうか。
かおるは音のする方向へ歩いてみた。
音の主がだんだん近くなってくる。
かおる(あの人は・・・)
かおるはその音の主に見覚えがあった。
ショートヘアで浅黒い肌、あの時よりは印象も変わったが間違いない。
昔入っていたバンドのメンバー、鞠園美々(まりぞのみみ)だった。
かおる「美々・・・美々じゃないか?」
美々「そういうお前はもしかして、かおるか!?久々だなぁ!」

かおる「こっちに来てたんだな、美々」
美々「あぁ。今はこの辺に住んでいる」
かおるは高校時代バンドに入っていた。
かおるはリードギター兼ボーカルだった。
美々はギターだった。
美々「高校以来だな。今は何の仕事やってんの?」
かおる「まぁ、公務員といったところかな」
美々「なんかお前らしいな。真面目が取り柄みたいな感じだったもんな」
かおる「美々は何やってるんだ?」
美々「バイトして金稼ぐ傍ら、路上ライブや配信で音楽活動やってる。まぁ、音楽の方はからっきしだけどな」
かおる「そうか・・・まだ音楽やってるんだな」
美々「いまだに夢追ってるってことさ」
かおるは先輩に誘われてバンドに入った。
先輩、美々、かおる、そしてもう1人メンバーがいる4人バンドだった。
当初は有名曲のカバーだったが、途中からオリジナル曲も演奏するようになった。
作曲はかおるがやっていた。
だが、かおるが高2の夏頃先輩はバイク事故で亡くなった。
それからバンドは自然解消し、高校を卒業してからはメンバーに出会うこともなくなった。
美々「最後に会ったのが7年前か・・・」
かおる「なんか、しんどい空気だったからな・・・」
美々「まぁでもまたこうして会えて嬉しいぜ。この公園にはよく演奏しに来てるから聞きに来いよ。友達でも連れてさ」

かおる「あぁ。私の職場にも近いし」
美々「またな」
短い約束を交わして別れた。
雲一つない春の空を見上げ、かおるは思う。
今度は一人ではなく、ルミアを誘ってここへ来よう。
思いがけない旧友との再会にかおるの足取りは軽くなった。
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