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【KOC2014】シソンヌが“空気を支配”した夜|歴代最高クラスの完成度を誇った決勝


2014年10月13日。
この年のキングオブコントは、“派手な笑い”だけでは勝てなかった。
爆発力。
キャラクター。
勢い。
強烈な武器を持つ芸人たちが揃う中、最後に頂点へ立ったのは、“空気そのもの”を支配したコンビだった。
シソンヌ。
後にコント界を代表する存在となる彼らが、初決勝で一気に王者まで駆け上がった夜。
今振り返っても、2014年大会は「完成度」という言葉が最も似合う大会だったように思う。

大会概要

  • 開催日:2014年10月13日

  • 放送:TBS系列

  • MC:ダウンタウン

  • エントリー数:2810組

  • 優勝賞金:1000万円

審査員

  • 松本人志

  • さまぁ〜ず三村

  • バナナマン設楽

  • 日村勇紀

  • 小林賢太郎

かなり“コント寄り”の審査員構成。
単純な爆発力よりも、

  • 演技力

  • 世界観

  • 構成

  • キャラクターのリアリティ

が重視される空気があった。

2014年大会 最大の特徴
この年からルールが変更。
5ブロックの1対1対決となり、
“相手に勝つこと”が最優先になった。
つまり重要なのは高得点ではない。
「より印象を残した方」が勝つ。
このルール変更によって、会場全体がかなりピリついていた。

ファーストステージ

シソンヌ vs 巨匠
シソンヌ「友人の彼女」
シソンヌのネタは、“友達の彼女を紹介される男”という設定。
長谷川が友人役。
じろうが、その彼女役。
ただ、この彼女が異常にクセが強い。
最初は普通に会話しているように見える。
だが少しずつ違和感が積み重なっていく。

  • 距離感がおかしい

  • 表情が妙にリアル

  • 空気の読み方が変

  • 話が噛み合わない

じろうの演技がとにかく怖いくらい自然だった。
“女装してボケる”ではなく、
「本当にこういう人いる」
と思わせるタイプ。
しかも長谷川が過剰にツッコまない。
だから観客が世界観に入り込める。
中盤から会場は完全にシソンヌの空気になっていた。

巨匠「ファミレス」
巨匠はファミレスを舞台にしたコント。
岡野の異常キャラを本田が受け止める形。
テンポも良く、しっかり笑いは起きていた。
ただ、この日の相手が悪かった。
シソンヌが“空気を変えてしまった”後だったため、どうしても比較されてしまった。
結果はシソンヌ勝利。
ここで既に、
「今年のシソンヌ、かなり強いぞ」
という空気が流れ始める。

ラバーガール vs リンゴスター
ラバーガール「バイト面接」
ラバーガールは、“ズレ”を積み重ねる職人芸。
大水の真面目さと飛永の違和感。
普通の会話のはずなのに、少しずつおかしくなっていく。
爆発型ではない。
だが、観客が気づけば笑わされ続けている。
構成の綺麗さは流石だった。

リンゴスター
独特の世界観で勝負。
勢いもあり、個性も強かった。
ただ、ラバーガールの“構成完成度”がかなり高く、勝負を決めた印象だった。

バンビーノ vs さらば青春の光
バンビーノ「ダンソン」
2014年KOC最大級の爆発。
もはや説明不要。
「ダンソン!フィーザキー!」
この瞬間、会場の空気が吹き飛んだ。
観客が“次のフレーズを待っている”状態。
特に凄かったのは、
「一発ネタ」で終わらず、ちゃんとコントとして展開していたこと。
リズム。
間。
繰り返し。
全部が噛み合っていた。
会場の笑い量だけなら、この日トップクラス。

さらば青春の光「会社」
さらば青春の光は、かなり玄人向け。
森田の嫌なリアルさと東ブクロの受け。
設定も巧妙だった。
ただ、この日はバンビーノの爆発力が強すぎた。
さらばは“上手い”。
バンビーノは“現象”。
勝負はそこだった。

犬の心 vs ラブレターズ
犬の心「部活」
押見のキャラが強烈。
池谷のリアクションも絶妙。
細かい演技の積み重ねで笑いを取るタイプだった。
後半になるほど会場の笑いが大きくなる、“右肩上がり”のネタ。
かなり完成度が高かった。

ラブレターズ「西岡中学校」
塚本の異常キャラを溜口が処理していく。
テンポも良かったが、犬の心の安定感が上回った。

チョコレートプラネット vs アキナ
チョコレートプラネット「怖い話」
長田の技術力が凄まじかった。
松尾のキャラも濃い。
“次に何をするか分かっていても笑う”状態になっていた。
会場が完全に前のめり。
まだ全国区ではなかったが、
「このコンビ売れるな」
と思わせる怪物感があった。

アキナ「ケンカ」
アキナは自然な会話劇。
山名と秋山の掛け合いが非常にリアル。
ただ、この日はチョコプラが強すぎた。

ファイナルラウンド
進出は

  • シソンヌ

  • バンビーノ

  • チョコレートプラネット

誰が優勝してもおかしくなかった。

バンビーノ 2本目
1本目ほどの爆発はなかった。
もちろん面白い。
だが、“ダンソン超え”を期待された分、少し厳しかった。
KOCの怖さがここにある。

チョコレートプラネット 2本目
ここが本当に強かった。
キャラクター。
演技。
テンポ。
全部が高水準。
暫定王者席に座った時、
「もう決まったかもしれない」
という空気がかなりあった。
実際、会場の期待値も高かった。

シソンヌ「タクシー」
だが最後に、全部持っていった。
設定はシンプル。
タクシーに乗り込む女性客。
それだけ。
だが、その女性客が異様にリアル。

  • 微妙に会話が噛み合わない

  • 距離感がおかしい

  • 感情の出し方が独特

  • なのに妙に存在感がある

じろうの演技力が完全に異次元だった。
しかも長谷川が説明しない。
“普通の人”として対応する。
だから怖いほどリアルになる。
途中から観客が、
「次どんな変なこと言うんだ?」
と待ち始めていた。
ここが勝負を決めた。

優勝決定の瞬間
結果は、シソンヌ優勝。
名前が呼ばれた瞬間、じろうはしばらく動けなかった。
長谷川も、どこか信じられない顔。
爆発的な喜びというより、
“積み上げてきたものが報われた”
そんな空気だった。

なぜシソンヌは勝てたのか
① キャラクターが“実在”していた
じろうの演技は、誇張ではない。
だから怖い。
だから笑える。
観客が「本当にいる」と感じた時、コントは一気に強くなる。

② 2本とも世界観が壊れなかった
KOCは2本目で崩れるコンビが多い。
だがシソンヌは違った。
むしろ2本目で、
「このコンビ、本物だ」
という確信を作った。

総評
KOC2014は、
“空気を支配した者が勝つ”
そんな大会だった。
バンビーノの爆発。
チョコプラの怪物感。
犬の心の完成度。
全部凄かった。
だが最後に頂点へ立ったのは、“静かなリアリティ”で観客を飲み込んだシソンヌ。
派手ではない。
でも異常に記憶に残る。
だから今でも、2014年大会は語り継がれている。

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