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2026 GW エコノミークラスで行く「八十時間世界一周」旅行記 Episode 5

「それでもヨーロッパは遠かったということ」


▽今回の旅程(計画)▽



出発から7時間25分~


限られた時間で観光行動をとることができ、大変満足している。搭乗までの時間でnote記事を書きあげ投稿する。搭乗開始時刻になるとスタッフの案内で「上級クラス利用者・上級会員」「それ以外の後方座席(60番以降)利用者」「それ以外の前方座席利用者」の3つに分かれて並ぶことになった。私の座席番号は40Hなので、前方座席利用者にあたり、最後の方に搭乗する。

搭乗開始


ロンドン・ヒースロー空港行き


ボーイング777エコノミークラス


再び、中国東方航空のボーイング777の中央4列シート右通路側に着席する。ほぼ満席のフライトで、パッと見た感じ乗客の7~8割がアジア人である。13時10分、予定より少し早く出発、離陸する。さあ、今度は12時間以上に及ぶフライトだ、と気合いが入る。

前との座席の感覚はやや狭く感じるが、12時間のフライトにおいて苦痛を感じることはない。一昔前の中国東方航空や中国系の航空会社のフライトの日本人の評判は決してよくはなかった。

「安い」けれど「乗務員が~」とか「中国人乗客が~」とか、特に「人」に対して文句を言っている人が多かったように感じている。その影響もあって、私も中国系航空会社に対してややマイナスイメージをもち、これまでに何となく利用を避けてきたのかもしれない。

しかし、実際に中国系の航空会社に乗ってみると、一昔前の悪い評判はほとんど当てはまっていないように思える。乗務員の接客は笑顔こそないものの、1つ1つのサービスを効率よくテキパキとやってくれるし、中国人乗客もみんなおとなしく過ごしているし、機内はだいぶ落ち着いた雰囲気である。

航空券代も安価であり、特に片道で購入する場合はその安さが際立つ。実際に乗ってみることで中国系航空会社のよさ・現状を知ることができたので、これからは世界一周旅行のルートに組み込むことも、もしかしたら増えていくかもしれない。



出発から9時間18分~


離陸から約1時間半後、1回目の機内食が配られる。内容は「ビーフ&ライス」もしくは「チキン&パスタ」であり、私は「ビーフ&ライス」を選択した。ライスは日本と同じジャポニカ米で、ビーフは中華料理っぽい味付けがなされており、中華料理に飢えていた自分にとって最高の組み合わせである。すぐに平らげてしまう。

1回目の機内食(ビーフ)


食べている最中に乗務員が温めたパンを袋の中からトングで取り出して乗客一人ひとりに配りにきた。乗客は素手でパンを受け取っており、私もそのようにしてみたが、何だか不思議な感覚である。

素手で受け取った温かいパン


機内食の片づけが終わり、しばらくすると、消灯となる。私は読書灯をつけてしばらく日記を書き続けた。3時間くらい経過してから、ガクッと寝落ちするようになったので、そっとPCを閉じて眠った。


出発から14時間22分~


2時間後に目が覚める。ルートマップを確認すると、ロシア上空を通過している。現在のロシア・ウクライナ情勢により、日系の航空会社の東京〜ヨーロッパ線はロシア上空を通過しないようになった。私が最後に日系航空会社の東京〜ヨーロッパ線に搭乗したのは7年前の2019年12月に搭乗したJALのフランクフルト→成田である。よってロシア上空を飛行機で通過するのもそのとき以来ということになる。

ロシア上空を堂々と飛行中


現在の東京→ヨーロッパ線のフライトはどの航空会社を使うにしても搭乗の難易度が高くなってしまった。日系航空会社であれば最高のサービスを受けながら過ごせるものの、高い航空券代と14時間以上にも及ぶフライト時間がネックである。

一旦東南アジアへ飛び、そこから中東の航空会社で中東を経由することでヨーロッパまで効率よく移動することができたが、イラン情勢によりこのルートも不確実なものとなってしまった。

残された中国系航空会社を利用するルートも安くてロシア上空を通れるので、効率よく移動できるが、日中関係の悪化に伴い、中国〜日本の地方都市路線の運休が相次ぎ、住んでいる地域によっては利用しづらくなっている。

以上のように、東京〜ヨーロッパを移動する主な手段はいずれもコロナ禍以前と比べ大きな困難を抱えるようになってしまった。東京〜ヨーロッパのルートがまるで塞がれたかのようになってしまった、とも表現できる。この事実は日本人のヨーロッパ旅行を難しくさせるだけではなく、世界一周旅行(特に弾丸)も相当難しくさせたと言える。

だからこそ、世界一周研究家としての役目をきちんと果たしたい。書籍やYouTuberにありがちな「ビジネスクラスの世界一周航空券を購入すればお得にJALやANAのビジネスクラスに乗れてヨーロッパまでの移動も快適でした。みなさんもぜひやってみてください。」で終わらせるのではなく、エコノミークラスやLCCなど、より多くの人が世界一周旅行の手段として使える情報をこれからも発信し続けることができれば、と思う。

まあ、私がいくらカッコつけたところで、ただの貧乏人の僻みとなってしまうだけなのだが。



出発から14時間46分~


東京〜ヨーロッパの移動手段についてぼんやり考えていると、機内が明るくなり、2回目の機内食が配布される。本来は2種類用意されているらしいが、乗務員から「すいません、今ポーク&ライスしかありません」と言われ、ポーク&ライスの機内食が配布される。ライスと、その上には肉団子のように大きく丸められた2つのポークがあり、中華料理風に味付けされている。

私は問題なく食べきることができたが、ポークは少し不思議な食感、味であり、人によって好みが分かれるような気がする。隣に座っていたイギリス人カップル(ヨーロッパ系男性とアフリカ系女性)は2人とも半分以上残していた。

2回目の機内食


肉団子のようなものが2つのっている


飛行機はウラル山脈にさしかかり、ロシアの中心地となるエリアへ進む。だいぶ進んできたが、まだまだロシアは続く。青春18きっぷで東京から名古屋まで行く場合、熱海の手前から豊橋の手前までなかなか静岡県を抜けられないことを「日本からヨーロッパまで移動するときに『ロシア長げー』って感じるのと同じ感覚」と誰かが例えていた。なるほど、納得である。


出発から16時間52分~


2時間ほど動画を見て過ごしていると、着陸前最後の機内サービスとして軽食のパンが配られる。羽田→上海で食べた機内食から数え4回目となる本日の食事である。大して運動しているわけではないのでさすがにもう食べることはできない。ひとまず飲み物だけ飲み、そのまま回収してもらう。

着陸前の軽食として配られたパン


乗務員は自分も含めアジア人(と思われる人)に対して毎回中国語で話しかけてくる。その後で「英語で説明していただけますか?」や「Sorry?」と聞き返すか、あるいは2~3秒の沈黙があると英語に切り替えてもう一度説明してくれる、というスタイルである。これも中国系航空会社あるあるとして噂には聞いていたが、自分で確かめることができてよかった。

永遠に続くかのように感じたロシアを抜け、フィンランドからスカンジナビア半島へ進む。ロシアを抜ければあと一歩、のように感じるが、ロンドンまではまだ2時間以上は進み続ける必要がある。ロシア上空を迂回しようがしなかろうが、東アジアとヨーロッパには相当な距離があり、往来には相当な時間がかかるということをイヤでも実感させられる。


Episode 6 へ続く