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【工場操業という仕事シリーズ】   ③操業は「瞬間」ではなく「流れ」で見る― 結果は時間差で出る

うちの工場では、操業の結果がすぐには出ない。

薬品を少し変えた。
バルブの開度を少し変えた。

でもその影響が現れるのは、すぐではない。

次の直だったり、場合によっては
12時間後、24時間後に現れることもある。

だから新人は難しい。

どうしても
「自分が今やった操作」だけで
考えてしまう。

でも実際には違う。

前の直の操作。
さらにその前の直の操作。

そういう積み重ねが
今の状態を作っている。


ベテランは直近だけを見ない。

流れを見ている。

この装置は何時間前にどう変わったのか。
どこから数字が動き始めたのか。

そういう時間の流れの中で
今の状態を見ている。

操業は瞬間ではなく、
時間の流れで見る仕事だと思う。


そしてもう一つ、
ベテランの技術には
数字から読み取る力がある。

操業には引き継ぎがある。

でも全部は書いていない。
というより、書ききれない。

なぜその操作をしたのか。
どういう意図だったのか。

そこまでは
文章には残らないことが多い。

だからベテランは数字を見る。

流量。
温度。
差圧。

その変化を見ると

「ああ、この操作をしたんだな」

と分かることがある。


例えば蒸解装置。

蒸解度が悪くなれば
温度を1℃上げるのは普通の操作だ。

でもベテランは
それだけでは判断しない。

経験的に
「このチップ材種が入ると蒸解度が悪くなる」
ということを知っている。

だから状態が悪くなる前に
先に温度を1℃上げておくこともある。

あるいは
循環を少し強めて
蒸解の状態を安定させる。

こういう判断は
数字だけを見ていてもできない。

過去の経験と
装置の流れを理解していて
初めてできることだと思う。


ただ、管理する立場になると
もう一つ大事なことがある。

それは
なぜその操作をしたのかを言葉にすること。

温度を上げた。
循環を強めた。

それだけでは
次の人には伝わらない。

以前同じ材種が入ったとき
蒸解度が悪くなった。

その経験があったから
今回は先に温度を上げた。

こういう
本質的な理由を伝えないと
経験は引き継がれない。


操業は瞬間ではなく、流れで見る。

そして数字の裏にある理由を
言葉にして伝える。

それも現場の技術の一つだと思う。

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わったさん|地方の2番手大学卒、製造業18年の現場管理職 励みになります。もしよろしければ応援お願いします。

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