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ホルムズ封鎖の悪夢を撥ね退けるか?――日本のエネルギー安保への「解」

「ホルムズ海峡が封鎖されれば、日本経済は一巻の終わりだ」――。
中東情勢が緊迫するたび、SNSやネット動画では供給網の脆弱さを突く悲観論が飛び交う。だが、こうした「多角化を怠っている」という批判の裏で、日本のエネルギー戦線は静かに、かつ着実に布石を打っていた。
驚いたのは、石油開発国内最大手、INPEX(国際石油開発帝石)によるカザフスタン産原油の日本供給検討のニュースだ。かつての国策企業である「国際石油開発」と「帝国石油」を源流に持つ同社が、虎の子の権益をいよいよ国内防衛に振り向ける。これまでコスト面から欧州市場へ流れていたカザフ産を、有事の「第二ルート」として活用する狙いである。
さらに、エネルギー安保の「決定打」として注目すべきが、2026年3月の日米首脳会談(NHK)で合意に至った米国アラスカ州での原油増産協力と日本への供給拡大だ。アラスカ産は中東産に比べて輸送期間が約1週間短縮でき、何より「ホルムズ海峡を通らない」という最大の利点がある。
カザフスタン産もアラスカ産も、長距離輸送やインフラ投資というコスト・地政学的ハードルは決して低くない。しかし、今回の動きは、オイルショックの痛恨の教訓が決して風化していないことの証左である。万一、ホルムズが封鎖という最悪のシナリオを迎えても、「供給が完全にゼロにはならない」という心理的・実務的なバックストップ(最後の砦)を確保した意義は極めて大きい。
しかし、供給網の強靭化(レジリエンス)を盤石にするには、原油の多角化だけでは不十分だ。今後は原子力発電所の再稼働を含め、あらゆるエネルギー源のベストミックスを追求する「総力戦」が不可欠となる。
現場の「実務」とトップの「決断」。この両輪が揃って初めて、日本のエネルギー供給は真の安定を勝ち取ることができる。今こそ、なりふり構わず「打てる手」をすべて打つ覚悟が問われている。

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