【読了】音楽と猫と、ちょっと笑って懐かしむ群ようこの世界─『音の細道』
群ようこ作品、久々の再会
群ようこさんの本を読むのは本当に久しぶり。
むかしはよく笑わせてもらったなぁと、懐かしい気持ちで手に取ったのが『音の細道』。
タイトルからしてもうセンス抜群ですよね。「音楽」の道を歩く、なんとも粋な響きです。
小唄と「品と色気」
群さんは三味線や小唄を習っていらっしゃるそうで、そのお師匠さん曰く「小唄は品と色気が大事」。
なるほど…。私には一番縁遠いものかもしれませんが(笑)、妙に納得してしまいます。
下校とマジックの音楽たち
エッセイの中で特に印象的だったのが「下校の曲、手品の曲」。
ドボルザークの交響曲「新世界」第2楽章は、日本人にとっては「家路」の音楽。
アメリカ大陸をイメージした作曲者の意図からすると、ちょっとズレているかもしれないけれど、放課後の夕暮れを思い出させる名曲になってしまいました。
そして一番気の毒なのがポール・モーリア。
「オリーブの首飾り」がどういうわけか手品BGMとして国民的に定着してしまった…。
作曲家の思惑とは全然違うけど、私にとってもこの曲を聴くと条件反射でトランプがひらひら見えてきます。
ポール・モーリア『オリーブの首飾り』(YouTube)
さらに個人的に思い出したのが、同時代のリチャード・クレイダーマン。
「渚のアデリーヌ」、あの切ない旋律を覚えている方も多いのでは?
私も当時、テレビやラジオから流れるあのピアノに胸をときめかせました。
お二人ともフランス出身でしたね。
(でも今聴くと、なぜか少し照れくさくなるのはなぜでしょうね。)
マービン・ゲイは万能薬
群さんの音楽遍歴は幅広く、マービン・ゲイについては「うれしいとき楽しいとき、辛いとき疲れているとき、朝昼晩、どんなときもOK」と大絶賛。
これは同意せざるをえません。気分をまるごと受け止めてくれる、そんな存在ですよね。
ネコバカの歌、爆誕
極めつけは愛猫しいちゃんの「テーマソング」。
「好き好きしいちゃん…」から始まるオリジナルソングを、群さんが抱っこしながらエンドレスで歌うんです。
しかも第2作、第3作まである(笑)。
猫好きにはたまらない微笑ましさで、読んでいるこちらもにやけてしまいました。
群さんのしいちゃんソングの歌詞は、ぜひページ上でお確かめください。
ちなみにしいちゃんの好きな音楽は、
グレゴリオ聖歌
モーツァルト交響曲
夏川りみ「涙そうそう」
……渋い。渋すぎる。しいちゃんセンス良すぎでは?
音楽好きも猫好きも
『音の細道』は群ようこさんがこれまでに出会った「音」と「音楽」について、軽妙な筆致で綴ったエッセイ。
笑えるし、懐かしいし、ちょっとした人生のBGMを思い出させてくれる一冊でした。
音楽好きにも、猫好きにも、どちらにもおすすめできる楽しい読み物です。
Happy Reading!
