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期待しない関係ー東野幸治の場合

東野幸治さんほど、自分の心に正直な関係性を築く人はいないかもしれない。

コンビでもない。
師弟でもない。
それでも40年近く、
今田耕司さんの隣にいた。

正式な契約書はない。
「Wコウジ」という名前も、
番組のスーパーに出ただけのものだ。
それでも2人は並び続けた。

東野さんはこう言っている。

「今田さんが前で風よけになってくれた。全部今田さんが風よけになってくれたから、めちゃくちゃ楽してる」

肩書きのない関係が、一番長く続く。

それは、仕事の話だけではなかった。

1991年に結婚した。
同じ年に東京へ出た。
浜田さんに怒鳴られながら、
ダウンタウンの番組で生き延びた。

その10年後、離婚した。

東京にマイホームまで買って、
それでも関係は冷めた。
芸人として売れていく時期に、
家庭が壊れた。

ただ、東野さんの場合は少し違う展開をたどる。

離婚から3年後、
籍を入れないまま同居を始めた。
さらに7年後、再婚した。
同じ相手と。

テレビで理由を聞かれると、こう言った。

「妻を愛していることに気づいた。
いなくなって、初めてわかった」

それだけ言えば格好がついた。
でも東野さんはそこで止まらなかった。

「家族割引の差額が大きかった。正月旅行、4人で行くとき、他人扱いだと全然違うんですよ」

スタジオが笑った。
本人も笑っていた。

感動的な話を、自分で笑いに変える。
本音を言いながら、照れ隠しもしない。

再婚してからの心境も、
正直に話している。

「期待するからケンカするのであって、
復縁生活そんなに期待しないで始めたから、いい感じになってます」

愛してるとも言う。
家族割引とも言う。
期待しないとも言う。

どれも本当のことだと思う。

人間の気持ちは、
一つの言葉に収まらない。
矛盾したまま、全部が本音だったりする。

そういうことを、東野さんは恥ずかしがらずに言える。

テレビで見せる「目の笑っていない司会者」の顔と、家でこっそり洗い物をしている顔が、同じ人間の中にある。
妻がスロースターターだから、
バレないようにやっておく。
「バレないように」というのが、
なんだかいい。

コンビという契約書もなく、
夫婦という義務でもなく。
「この人がいないと困る」と気づいたとき、関係はもう一度始まる。

関係性は人それぞれ

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