【労務プロの考察】「60分面談」がコンプラ通報される時代。なぜ部下はあなたの優しさを「パワハラ」と呼ぶのか?
「〇〇さんからコンプラ窓口に通報がありました。先日の面談で、プライベートに踏み込まれたうえに、60分も同じことを繰り返し言われて苦痛だった、と」
人事からの冷たい内線電話。背中に嫌な汗が吹き出し、頭が真っ白になる。
「いや、ちょっと待ってください! 私はあいつの体調が心配だったから『体調管理に注意して、これからも仕事を頑張ってほしい』と励ましただけで……!」
電話を切った後、しばらくPCの画面を見つめたまま動けなかった。
指先からすーっと血の気が引いていくのがわかる。マウスを握る力すら入らず、ただただ頭の中で「なぜ?」「あんなに親身になったのに?」という言葉がぐるぐると回り続ける。
ショックで全身の力が抜け、次の業務に向かうために椅子から立ち上がることさえできなかった。あんなに時間をかけて話を聞いてやったのに。俺の何が間違っていたんだ……。
……わかるよ。今日も一日、本当にしんどかったね。お疲れ様。
ニギハヤ日々です。
部下のためを思って言葉を選び、業務の合間を縫って励ましたつもりだったのに、まさかの「ハラスメント通報」。
裏切られたような虚脱感に襲われるし、何より「自分のマネジメントの何がダメだったのか」「もう部下とどう接すればいいかわからない」と、深く深く落ち込むよね。
僕も労務の最前線にいる中で、良かれと思って寄り添ったはずの面談が「精神的苦痛だ」と人事にねじ込まれ、ショックのあまりトイレの個室でしばらくうずくまっていた時期があるから、その理不尽な絶望感、痛いほどよくわかる。
でもね、最初にこれだけは言わせてほしい。
君は、何も悪くない。 君の人間性やマネジメント能力が低いから起きた悲劇じゃないんだ。
では、なぜ優しさから出たはずの言葉が通報されてしまうのか。どうしてこんな悲劇が、今の職場で多発しているのか。
今回は労務のプロの視点から、この「時代の構造的な罠」について考察してみたいと思う。これを知るだけで、君の肩の荷は少し軽くなるはずだ。
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