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【るい旅①】東京近郊の青梅にあるOme Farmは想像以上のオアシスでした!

「食材が生まれるところに行ってみたい」
3人旅は、スーシェフるいちゃんの、このひとことで始まりました。
これから私たちは、生産者さんを訪ねる旅で出会った、おいしいもの、楽しいこと、すてきな人たちの魅力をお伝えします。

最初の旅は、梅雨が始まる少し前の5月末。
「野菜がバツグンにおいしくて、特にビーツが最高なんです。はちみつも絶品!」
と、るいちゃんがプッシュするOme Farmさんを訪れました。


有機農法で作る野菜や、非加熱のはちみつをレストランにおろしたり、東京・青山のファーマーズマーケットなどで販売されています。

新宿から電車で1時間ちょっとの青梅駅に、代表の太田さんが迎えに来てくれました。
Ome Farmさんまでの道中は、どこか懐かしくなるようなのどかな景色。

この日は曇りときどき晴れ

「青梅を選んだのは、なぜですか?」
「都心の消費者の方に農産物を届けやすい東京近郊で土地を探していて、畑になる平地と、きれいな湧き水があること、日中と夜の寒暖差があって、人が温かいことが決め手でした」と、太田さん。

ここからおいしい野菜が生まれます

最初に案内してもらったのは、野菜作りの“スタート基地“のようなところ。ここで堆肥や土を作ったり、苗を育てたりするそうです。
「堆肥は、どうやって作るんですか?」
「落ち葉やもみ殻、出荷できなかった野菜なども活用して、米ぬかと水を加え、土着菌の働きで発酵させます。
牛など動物の糞も使う一般的な堆肥に比べて臭くないんです。
堆肥作りの師匠の“いい畑は、いい匂いがする”という言葉が刺さったんですよね」

堆肥から培養土を作ってトレーに種をまき、ある程度大きくなったら、それぞれ成長できるように鉢上げするそうです。
「市場の需要に合わせた野菜を作るために“改変”された種ではなく、個性のある固定種だけを扱っています」と、太田さん。
ちょうど、日本ではめずらしい品種のトマトの鉢上げが始まるところでした。
「鉢上げ、やってみますか?」 
「はい! 教えてください!」

かわいいベビーカマキリくん

鉢上げ作業のあと、野菜の苗が並んでいるところも案内してもらいました。
よくよく見ると、ちっちゃなカマキリ!
「カマキリ、クモ、テントウムシは、苗に悪さをする虫を退治してくれるので、無農薬で野菜を作る我々の味方なんです。
人間で言えば苗は子どものようなものなので、ここまでは手厚く世話します。
しっかり育てば畑に出して、あとは寒暖差や悪天候など、いろいろなストレスと戦いながら、おいしく育ってくれるのを見守っています」

そして、畑へ。
Ome Farmさんの畑は、“基地”から車で数分のところに点在しています。
最初に案内してもらったところは、菜の花やカモミール、ルッコラ、コリアンダーなどの花が満開でした。
「ホント! 畑がいい匂い!」

「これはズッキーニ。花が咲き始めたので、このあとネットをはずすと、ミツバチが飛んできて受粉してくれるので、いっきに増えるんです」

右上がルッコラの花で
下がコリアンダーシード

「コレ、高級食材なんですよ」
と、太田さんにすすめられて食べたコリアンダーシードは
「すっごい爽快感! おいしい!」
「ミントとか、柑橘みたいでしょ」
ルッコラの花も食べさせてもらいました。
「ルッコラの味がする!」
「花は必ず、その食材の味がするんですよ」

​「Ome Farmさんの野菜は、とても味が濃くておいしいです。育て方に特徴があるんですか?」
「さっきの話のとおり、苗作りまでは手をかけますが、畑に出したら、日中と夜の寒暖差によってストレスがかかる環境で、水まきもせず、自然のままで育てます。
余分な栄養を与えると虫がつきやすくなるので、堆肥もほとんど与えていません」
「たくましく育つと、おいしくなるんですね」

野生のシロツメクサも大事な蜜源

おいしいはちみつができる養蜂場も見せてもらいました。
「ミツバチは、蜜源を探してこの辺りを飛び回るんですが、農薬は大敵なので、有機農法と養蜂は相性がいいんです。
うちの養蜂のスタッフは、古くからの養蜂家の家系で、彼の母親も“いい農業がないと、いい養蜂はできない”と」
「非加熱のはちみつを作られているのは、なぜですか?」
「一番の理由は野菜作りと同じで、あまり余計なことはせず、本質に迫りたいという思いです」

裏の山では、きのこも栽培されていました。
「きのこ作りのプロに教えてもらいながら、しいたけやなめこなどを作っています。
きのこは秋だけじゃなく、春にもとれるんですよ」
「山の中には野生動物もいそうですね」
「夜中にカメラをしかけておくと、いろんな動物が写っています。カモシカにも遭遇したし、ちょっと奥で熊らしき動物も見ました。
たまに、隣の村でとれたシカを丸焼きにしてBBQをやったり、アスリートに来てもらって、筋繊維の付き方などを説明しながら、一緒にシカをさばくイベントなんかもやってます」

人間の靴紐やボタンが気になるひよこたち♡

養鶏もされていて、飼育小屋には、かわいいひよこたちが! 
小屋に入ると、わーっと集まってきたのは、黄色い羽の名古屋コーチンと白い羽の烏骨鶏。
ちょっと気性が荒いというロードアイランドレッドは、柵を隔てた向こう側で飼育されています。
「かわいい!」
「かわいすぎる!」
「かわいいしか言えない!!」
と、3人で大興奮。後ろ髪を引かれながら小屋を出ました。

ディルの花

最後に連れて行ってもらった畑には、黄色い花のディルがたくさん。
ここでも味見をさせてもらいました。
「おいしくて味が濃い! 清涼感がすごいです。
野菜やハーブの花は、私も料理によく使っているんです」
「ディルの花をズッキーニのマリネに加えるのも最高ですよ」と、太田さん。

皆さん、ありがとうございました!

今は収穫と苗作りなどで特に忙しい時期で、スタッフの方も懸命に作業されていました。
「あのTシャツは(写真右下)、彼がボクシング社会人選手権で優勝したときに作ったもので、"FOLLOW THE PLAN(作戦どおりに行け)”っていうメッセージなんです」
「カッコいいですね!」
スタッフの中には、ほかにもアスリートの方がいるそうです。

太田さんにお尋ねしました。
「野菜作りを始めたのは、なぜですか?」
「昔住んでいたアメリカや、あちこち旅したヨーロッパで食べた、おいしいビーツやルッコラの味が忘れられなくて、日本の人たちにも味わってもらいたいと思ったんです」
おいしいものへの熱い思いは冷めることなく、
今は橙などの苗木を植えて、果樹園作りにもチャレンジしているそうです。

橙の花

*今日のるい旅メモ
「Ome Farmで働くスタッフの皆さんが、楽しそうにお仕事されているのが、とても印象的でした。
新しいことに積極的に挑戦している姿、
食を通して多種多様な人たちと関わっていく姿に、とても刺激を受けました。
Ome Farmさんの想いを料理で表現していきたいですね」

太田さんに聞きました!
「生産者さんの夕べのごはん」
・炭で焼いたローストビーフに畑のルッコラ、パルミジャーノチーズを合わせて、オリーブオイルとバルサミコ酢をかけたもの
・水たこのセビーチェ、畑のディルたっぷり
・畑のビーツのキーマカレーそうめん(これは昼ごはん)

るい旅レシピ①
ビーツとカツオのセビーチェ

るい旅では、訪れた土地の食材を使ったレシピを紹介します。
今回は、太田さんの夕べのごはんをヒントに、いただいた野菜やハーブで作った「ビーツとカツオのセビーチェ」です。

材料(2人分)
ビーツ(直径約3㎝のもの)…1個
カツオ(刺し身用のさく)…200g
トマト…1/4個
赤玉ねぎ…1/8個
ライム…1/4個
コリアンダー・ディル・ミント…それぞれお好みの量
 (A)エクストラバージンオリーブオイル…5g
 (A)タバスコハラペーニョ…3g
 (A)塩…少々
ヘーゼルナッツ…3個
ディルの花…適量(なくてもよい)

作り方
1 ビーツを皮ごとアルミホイルで包んで180度のオーブンで約30〜45分火入れする(大きいものは長めに入れて、竹串がスッと通ればOK)。一緒にヘーゼルナッツも5〜8分ローストする。
2 赤玉ねぎを0.3 cm角、トマトを0.5cm角に切る。コリアンダー、ディル、ミントをみじん切りにする。
3 ボウルに2を入れ、ライムの果汁を搾り、皮を薄く削って加え、(A)も加えて混ぜ合わせる。
4 火が入り粗熱がとれたビーツを0.3cm幅、カツオを0.5cm幅に切る。
5 ヘーゼルナッツは細かくなりしやすぎないように砕く。
6 お皿にビーツとカツオを並べる。3をまんべんなくかけ、5とディルの花を散らす。エクストラバージンオリーブオイル(分量外)を少し回しかけたら完成。

次回は、Ome Farmさんの野菜料理やお酒を楽しめるOme Farm Kitchenを訪ねます!

▼Ome FarmさんのInstagram

▼Ome Farmさんのホームページ

写真/山田智絵 文/草柳麻子