「今、私は私を生きている」
―― 人生の節目を迎えて
昨日、はっきりと
「会社を退職します」と
上司に伝えてきた。
やっと言えた。
仕事を始めて10年。
「このままでいいのかな?」と思い始めたのは、4、5年前だったと思う。
私はなぜか営業という仕事を選び、自分からその世界へ飛び込んだ。
自分を変えたかったから。
昔から、人と深く関わることが少し怖かった。
私は独特の価値観の中で生きている。
というより、人の感情にすぐ共感してしまい、自分のイメージだけで「好き」「嫌い」を決めてしまうところがある。
だから、信じた人だけがそばにいてくれたら、それで十分だった。
結婚して、子供が生まれて、子供の成長と一緒に生きてきた。
パートをしながら、特に困ることのない毎日を過ごしていた。
ただ、ずっと守られている“籠の中”から、一歩外へ出てみたくなった。
気の迷いだったのかもしれない。
そんな時、友人から誘われた会社に入社した。
最初は研修期間。
この時間は本当に楽しかった。
でも3ヶ月後、営業として外へ出るようになる。
テレアポをして、訪問して、お客様に合わせた対応をして、笑顔を作る。
初めての訪問では、上司が隣にいたにも関わらず、私はガチガチだった。
挨拶するだけで声が上ずり、冷や汗が出る。
そんな毎日だった。
会社での人付き合いも、できるだけ避けていた。
優しく声をかけてくれる先輩もいた。
でも、その頃の私には、まだ人を受け入れる余裕がなかった。
そんな始まりから3年。
私にも後輩ができ、1人で仕事を回さなければいけなくなっていた。
営業の世界は、結果がすべて。
ありがたいことに、私は売上を上げることができた。
お給料も増えて、楽しくて、嬉しかった。
そんなある日、上司から昇格の話をいただいた。
少し迷ったけれど、やってみようと思った。
周りの同僚たちも「よかったね」と声をかけてくれた。
私は、本当に一緒に喜んでくれていると信じていた。
でも、違った。
嫉妬、妬み。
私の知らないところで、いろいろ言われていたみたいだった。
それに気づいて、私はすぐ役職を降りた。
誰にも何も言われたくなかったから。
今思えば、それくらいで何も言われなくなるわけじゃないのに。
それから1年ほど経った頃、私は“忘れ物”をしていたことに気づいた。
「あ、そうだ」
ずっと昔から描いていた夢。
“夢”という言葉で綺麗に飾って、
「いつか時間ができたらやればいい」
そう思いながら、後回しにしていたもの。
その後も日々の生活に追われ、気づけば8年。
もうダメだ。
このままではいられない。
何度か上司にもその気持ちを伝えていた。
でもありがたいことに、引き止めてくれた。
必要とされている。
その気持ちが嬉しくて、「まだ頑張れるかもしれない」と思っていた。
そんな中で、私はこの仕事を続ける“目的”が欲しかった。
でも、どう考えても答えは見つからなかった。
「お金を稼ぐために働くんだから、もっと稼ぐことを目標にしたらいい」
上司や先輩はそう言ってくれた。
でも、なぜか私には響かなかった。
お金は好き。
でも、お金のためだけでは頑張れない。
生活のためなら、もう十分だった。
それ以上の理由が欲しかった。
ここから、昔描いていた夢を現実にしたいと強く思うようになった。
だけど、なかなか言い出せなかった。
仕事をしていたら、それなりに楽しい。
嫌なことも、昔ほどではない。
でも、何かが違う。
自分の内側から聞こえる声を、私はずっと閉じ込めていた。
聞こえないふりをしていた。
毎日、苦しかった。
そんなある日、身体に異変が起きて病院へ行った。
そこで、人生が強制的に止まった。
時間だけが静かに流れていく日々。
不思議と冷静に、自分に問いかけていた。
「本当にやりたいことって何?」
「これからの人生を、どう生きたい?」
会社に休職届を出し、3ヶ月。
このまま仕事に戻るのか。
何度も何度も考えた。
そんなある日、
「自分を生きる」
という言葉が、突然心に入ってきた。
その瞬間、ハッとした。
私が本当に求めていた道は、ここじゃない。
魂、心、言葉。
それが一致するまで、半年かかった。
その間、目まぐるしく自分の内側が変化していった。
そしてやっと、答えが出せた。
昨日。
私は会社に、退職を伝えた。
怖くなかったわけじゃない。
でも今は、不思議なくらい静かな気持ちでいる。
やっと、自分の人生を生き始める気がしている。
遠回りだったのかもしれない。
でも、
苦しみながらも、
迷いながらも、
私はずっと、
自分を探し続けていたんだと思う。
これから先、
不安がないわけではない。
だけど、
私は私を信じて、
進むと決めた。
誰かの人生ではなく、
誰かの期待でもなく、
今、
私は私を生きている。
そして、
もし今、
同じように悩みながら生きている人がいるのなら。
立ち止まってしまっている人がいるのなら。
無理に答えを出さなくてもいい。
すぐに変われなくてもいい。
自分の心の声は、
ちゃんと自分が一番知っているから。
遠回りに見える時間も、
きっと無駄じゃない。
苦しみながらでも、
迷いながらでも、
その人なりの歩幅で、
人生は進んでいるんだと思う。
だから、
焦らなくて大丈夫。
いつかきっと、
「これが自分の道だったんだ」と
思える日が来るから。
ここまで読んでくださり、
ありがとうございました。
#note
#人生の節目
#自分を生きる
#生き方
#エッセイ
#AngelPowerHeart
#エンジェルパワーハート
