2026/2/9-15 ホワイトロックに行った週
2/9
友人と外食した。バンクーバーでは、毎年Dine outというイベントがあって、年明けからバレンタインの間という外食需要が落ち込みがちなタイミングに開催される。人気レストランで、少しお安めのコースメニューが提供されるというもので、今回初めて行ってみた。
我々は普段ほとんど酒を飲まないくせに参加レストランのリストからNewwest Minsterにあるパブを選んで向かった。入店する直前入り口付近に貼ってあるポスターを見ると、"Dine out 1/21~2/8"とあり自分たちの詰めの甘さに二人で失笑した。ダメ元で店員さんにもう終わっちゃった?と聞くとまだやっているらしい。多分思ったほど出なくて材料や作り置きが余ってるんだろう、カナダはそういうとこがある。
サラダ、シュニッツェル(とんかつの薄いVer)、チーズケーキで30ドルだった。コース料理と考えれば結構お得だ。けれどそこにドリンク代とチップを加えるとあっという間に50ドル近くなった。お安く楽しめるから行ったのに本末転倒で、お店側の策略にはまった気がした。まあ、友人とのおしゃべりは楽しかったし、こんなイベントが無い限り足を踏み入れないであろうパブに入れたのはよかった。

2/10
職場にメキシコ人の男性スタッフが入って来た。私の職場はアジア系移民が多く、ラテン系は2人ほどしかいないので新しい風が吹き込んだ感じ。社交的で同僚にもお客さんにもガンガン話しかけてすぐに友達を作るタイプに見える。早速キッチンで働く初対面のブータン人シェフ(寡黙)に、「Good morning handsome!!」とあいさつしてビビらせていた。日本人にはできない芸当で見事だった。
2/11
今年の一時帰国で日本と中国に行くのだけれど、そこでウエディングフォトを撮る予定なのでダイエットを頑張っている。高校生の頃運動ゼロで半身浴と食事制限のみでダイエットをして摂食障害になりかけたので、ゆるく食事制限をやりつつ、ヨガ、ピラティス、筋トレで筋肉をつけて有酸素で脂肪を落とそうという健康的な目標設定にした。
だがしかし二の腕が痩せない。今回韓国にも行く予定なので、脂肪溶解注射とか、オンダリフトとか色々調べたら速攻で効果がありそうなのは脂肪吸引だった。しかし、ものすごい痣になったり、失敗して二の腕がぼこぼこになっている画像を見てこんな怖ろしいことできない…と怖じ気づいてしまった。あと3か月、運動とマッサージで何とかしたいと思う。
2/12
職場で話しているとき、今まで食べたひどい食べ物の話になった。そこで一人の同僚が「レストランで半生のチキンを出されて食中毒になりひどい目にあった」と言った。私は日本で鳥刺しを食べておいしかったし、何ともなかったのでそう話すと、おどろかれた。
日本は魚や肉の生食がよくあることだし、品質管理がしっかりしているので大体問題ないけれど、レバ刺しとかは違法らしいよと付け加えた。すると例のラテンボーイが「メキシコでは"ドラッグあるよ"と耳打ちされるけど、日本だと"レバ刺しあるよ"なんだねウケる」と笑っていた。確かに生肉の闇取引ウケる。
毒のあるフグを食べたがったり、食中毒のリスクがある生肉を食べたがったり、おいしいものを食べるためなら危険を顧みない日本人の食への執着はすごい。
2/13
西加奈子さんの『くもをさがす』を読み切った。西さんが過去にバンクーバーに住んでいたのは知っていたので、その海外移住エッセイかと思って読み始めたら乳がん闘病記だった。罹患されたのがコロナ禍でカナダの医療が崩壊している最悪のタイミングで、今日投薬するはずの薬が手違いで届かず薬局で声を出して泣いた、とあった。本当に他人ごとではない。
こちらに住んでいると、ウォークインやエマージェンシーのクリニックで〇時間待った、という話をたまに聞く。フィリピン人の友人には、病院に行ったときは迫真の演技で痛みをアピールしろ、と演技指導までされた。医療アクセスへの異常なハードルの高さが、ここに住む一番の不安だ。
この本の中で印象深かったのは、バンクーバーの人はその人がどんな状況にあろうとも人間として扱う、という所。薬物中毒者は薬におぼれたモンスターではないし、ホームレスも働きたくない怠け者だとは見られない。多分何かきっかけがあって人生のつらい時期にいるだけで、ここは排除するのではなく同じ人間として接しようという意思を感じる街だ。
2/14
バレンタインデーだった。チョコレートをあげ、バラの花束を貰い、3年前付き合うことになった時に行ったレストランへ。当時好きだった絶品バターチキンカレーを注文しようとしたけれど、店員さんに3年ほど前にメニューから消えたと言われてショックだった。
店内ではオリンピックが流れていて、2人とも全くスポーツに興味は無いものの見入ってしまった。短大の頃、仲が良かった友人が「スポーツをテレビで見て叫ぶタイプの人ほんと苦手。結婚するならオリンピックとか興味ない人がいい」と言っていたのを思い出した。わかる、と思ったしその通りの人と結婚できて良かったなぁと思っている。(うちは父親が叫ぶタイプなので余計に。)
テレビではボブスレーをやっていて、選手たちがそれを始めたきっかけが気になった。スノボやスケートなら親がやらせてみたら上手かったから、じゃあ大会に出ましょう、選手として育成しましょうという流れがあるかもしれないけれどボブスレーはいつどういったきっかけでやり始めたんだろう、というくらい特殊なスポーツだと思う。

2/15
ホワイトロックに行った。その名の通り白くて巨大な石がある、観光地というほどの規模ではないもののそこそこ有名な場所だ。ちなみに石は天然ではなく白く塗られているそう。その他に貨物列車が走るために敷かれたレールと、BC州で1番だかカナダで1番だか忘れたけれど、とにかく長い桟橋もあった。
周りには数件のカフェやレストラン以外に、ほとんど何もない場所だった。カナダってこういうところがある。やろうと思えばビジネスチャンスはあるし、バンクーバーの人は娯楽に飢えているので人もそこそこ来るだろうけど、プライベートを犠牲にしてまでお金を稼ぐことに執着しないというか。
日本や中国なら、写真を撮ります、似顔絵描きます、2人の名前を刻んだ南京錠を桟橋にかけましょう、ホワイトロックにちなんで石をペイントしましょう、貨物列車を改造したカフェです、などお金を稼ごうという人が一気に集まりそうだけれどここでは誰もやらない。犬を連れた人たちが散歩して、観光客がチラホラ写真を撮っているだけののんびりした場所だった。

