Photo by
fresnel
月あかり
月が微笑むような夜ならば、僕はうまく眠れるだろうか。妙に熱を持つ体をベッドの上で持て余しながら、そこからは決して見えない月のことを思った。
夜は好きなはずなのに、「眠らないといけない」と思ってしまうと急に苦しくなる。このまま夜が明けなければ、眠れない自分も愛せただろうか。明日なんて来なければ、眠れないのことの負い目もなかっただろうか。
月が、微笑んでいる。眠れなくていいよ、そのままでいいよ、君は君で大丈夫。そんな風に笑ってくれた誰かを、かつてあったその名残をなぞる。ため息、寝返り。僕はまだ生きている。
君はうまく眠れていますか。ただそれだけ、ここに問うように。
あくびのあとでふと、名前を呼んだ。月が、微笑んでいる。もう君はいないけれど。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは、通院費と岩手紹介記事のための費用に使わせていただきます。すごく、すごーくありがたいので、よろしくお願いします。チップって名前にちょっとだけ違和感ありません…?