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inagakijunya
渇望
朝なんて、もう二度と来なくてもいい。寝返りを打ったら欠伸をしている猫と目があって、小さく微笑んだ。
彼女は、棚の上に敷いてあげた毛布の上に寝ている。ドラえもんが描かれたあの毛布は、かつての僕のお気に入りだった。今では、彼女専用だ。
朝が来れば、明日になる。それはある種の希望でもあり、絶望でもある。僕が一番欲しいのは猫たちと生きていく日々であって、それは逆を言えば猫たちさえいてくれるなら他は必要ないということでもある。
自分と猫たちだけの世界に消えたい。出会いも別れもこれ以上ない世界で、ただ大切を甘受していたい。消極的な死とでも呼ぶのだろうか。僕は、もう失いたくない。猫たちを失わずにいられるなら、これ以上の希望なんていらない。
これは、死を願うような罪だろうか。それでも、僕は願うのだろう。猫たちだけが僕のそばにいてくれる日々を。
僕の心は、ある種の死に向かっているのだと思う。誰かと生きていくことにはもう、希望なんて見つけられない。それを「死」と呼ぶのならきっと、僕はもう死んでいるのだろう。
これから訪れる朝に、希望をくれ。心に残されていた僅かな命で、そう呟いてみた。
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