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ロンドン・ナショナル・ギャラリーの “Colour”

専門的な知識はなく、美術のセンスもないのですが、画家たちの色遣いにはとても興味があります。
ここnoteでも作品に描かれた「白」や「緑」について投稿したことがあります。当時、投稿するためにいろいろな画像や美術本を見て考察したので、個人的にとても勉強になりました。

先週から読み込んでいる(?)ロンドン・ナショナル・ギャラリーのHPに、「色」に関するコラムを見つけました!
おーーーーっ、素敵ですねぇ。少しずつ翻訳しながら読んでみることにします。

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まずは、私も投稿した「白」。画家たちが表現した「White」にはどんな歴史があるのでしょうか?

ナショナル・ギャラリーの元コンテンツ・プロデューサーのLily Middletonさんの記事

ふむふむ。ほーっ。へぇ〜。そうなんだ!。とにかく面白くて勉強になるのです。
忘れたくないPointを、ギュッと丸めて書き残しておきます。

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◉ Is white a colour?(「白」は色なのか?)

科学者に尋ねたら、「白」は実際には色として存在しない、と主張するかもしれません。どうしてそんなことを言うのかといえば、技術的には、「白色」とはあらゆる波長の光が物体から反射された時に目に見えるものだからです。しかし、「白色」顔料は数千年にわたり美術品に用いられ、今も世界中の芸術家にとってかけがえのない存在であり続けています。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーのコラムより

「白」 はかけがえのない存在・・・当然でしょ!と思う一方で、
当然!と決めつけている事柄に対しては、深く考えてこなかった自分がいることにも気づきました。
自然界に存在する「色」、科学的視点から分析した「色」、我々人間に見えている「色」、そして画家たちが表現してきた「色」・・・俄然興味が湧いてきました。読者の私の心を鷲掴みにする、この序章は さすがです。

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コラムは続きます。
◉ What does the colour white represent?
(「白色」 は何を象徴するのか?)
歴史的に「白」が利用されてきた場面やその意味について書かれています。
純潔と宗教に関連づけられた「白」、巫女がまとい、教皇が着用した「白」。
ユニコーンの「白」、ウェディングドレスで無垢を象徴し、また喪服の色でもあるのですね。

◉そして「白」を生み出してきた顔料・材料へとコラムは続きます。
フレスコ画に使用された「白」は “炭酸カルシウム”。
そして速乾性があり下地処理に有益で、ハイライトを加えるにも有用であったのが “鉛”。
“鉛” は美しい「白」を創り出すことができるため、絵画だけでなく美を求める女性の化粧品としても使われていたのですね(エリザベス1世は “白鉛” と酢を混ぜたものを直接肌に塗っていたそうです!)。
体内に入ると非常に毒性が強く、蓄積していくと消化器系や神経系に影響を及ぼす “鉛” についてこんな記述もありました。

ミケランジェロ、フィンセント・ファン・ゴッホ、フランシスコ・デ・ゴヤのいずれも “鉛” 中毒に苦しんだと推測されています。「画家の疝痛せんつう(Painter’s colic) 」とは、“鉛” 中毒の結果として芸術家が苦しんだ激しい腹痛と便秘を指すようになった

ロンドン・ナショナル・ギャラリーのコラムより

システィーナ礼拝堂の天上を仰ぎ見ながら4年間、毎日作品を描き続けたミケランジェロを想像して身震いがしました。

しかしコラムでは「巨匠たちより大きなリスクを背負っていたのは、工房で絵具を調合していた弟子たちであった」と書かれています。
↑ こういう言及、さすがですね。
私は、有名な人物や事物ばかりに記述が集中しがちで、彼ら(それら)を支える無名な人々やその実情に思いが至らないのです。・・・反省。

「白」 に話を戻しましょう。
そんな美術界の歴史を経て、現代では “チタン白” や “リトポン” などなど、「白」の表現を追求してさまざまなチャレンジがなされているのそうです。

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◉そしてコラムには「白」 を使用したロンドン・ナショナル・ギャラリーの所蔵品が紹介されています。
おっ、ティツィアーノ作品ですね・・・ティツィアーノの「白」ですか???ちょっと意外でした。

ティツィアーノ『ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)』1514年

この『ノリ・メ・タンゲレ』は、
磔刑に処せられた後に(体が)蘇ったキリストが、遺体を探していたマグダラのマリアに「父なる神の御許をまだ得ていないから、我に触るな」と伝える場面を描いています。
キリストの腰布とロープ、そしてマグダラのマリアの麻の袖にも鮮やかな “鉛”「白」が使われています。

この作品、2020年<ロンドン・ナショナル・ギャラリー展>に来日していたので、近くで鑑賞することができました。
当時の私は、【ヴェネツィア派】「赤」の色遣いに夢中になっていたので、不覚にもその「赤」を際立たせている「白」の素晴らしさをじっくり鑑賞していませんでした。
あらためて画像で鑑賞すると、ティツィアーノが遣い分け 描き出した「白」の輝き、深さ、繊細さ、そして「赤」をより魅力的にしている秘めたる力を感じることができます。美しいですね。

キリストが 父なる神の許しを得ていないため まだ “人” であることは、ロープを手繰り寄せる手や腰つきから見てとることができるのです。
そしてそのことを、ティツィアーノは腰布やロープの色、透け感、微妙な弛み具合・・・全て「白」で表現しているのですね!。
5年半前の私は、全く、全くそれを感じ取ることができませんでした(涙。

絵画は、鑑賞者がいろいろな視点と豊かな想像力を持つことで、無限の世界を広げることができるんだなぁ・・・とつくづく感じるのです。

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おっ、私のお抱え肖像画家(笑)エル・グレコの作品も紹介されています。これも2020年<ロンドン・ナショナル・ギャラリー展>のスペイン絵画を集めた展示室で鑑賞しました。
エル・グレコにもあまり「白」のイメージはないのですが、どうなのでしょうか?

エル・グレコ『神殿から商人を追い払うキリスト』1600年頃

コラムによると、衣のハイライトは “鉛”「白」によってその輝きを得ているのだそうです。
そういえばエル・グレコの作品には、光や雷でスポットライトを受けているような不思議な輝きが多く見られます。
“鉛”「白」を多用していたのですね。
なるほど。。。
うわっ。今すぐ美術館に行きたくなりました(笑。

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絵画鑑賞が大好き!と豪語している私ですが、まだまだしっかり鑑賞できていなかったようです。冒頭で「画家たちの色遣いにはとても興味がある」などと書いたことが少し恥ずかしくなりました。

短絡的な思考と既成概念を捨て去り、画家がどのような意図・狙いで、どのような想いを込めて「色」を筆→カンヴァスにのせていったのか・・・多角的な視点と豊かな想像力を持って絵画と向き合いたいですね。

うわーーーーーーっ。
実は、ロンドン・ナショナル・ギャラリーHPのコラム「赤」について投稿したいと思い、その序章として「白」のコラムについては軽く触れる程度にしようと書き始めたのですが・・・。
気づけばダラダラ長い投稿になってしまいました(汗。

ということで、次回はロンドンの「赤」について妄想したいと思います。

<終わり>

以前投稿した、私の「白」です。

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