トイトイの小さな物語 【📙秋のひととき】
――ある秋のひととき。
トイトイは、読んでいた古い本を
ぱたんと、閉じて、
小さく息を吐いた。
――頬を撫でる秋の風は、少し肌寒い。
巻いていたマフラーに顔を少し埋めて、
トイトイは、小さくほほ笑むと、
本を撫でながら、本の中にあった一文を、
そっとつぶやく。
「散るもみじ 風のやさしさ 哀れかな」
風が一瞬強く吹いて、閉じたはずのページの端が揺れた。
「ねえ、風さん。あわれって、実はやさしい言葉なんだね。」
――頬を撫でる秋の風は、やさしく、少し肌寒い。
けれどそれは、夏のほてりをそっと冷ますための、
季節のやさしさでもある。
そしてその秋風は、トイトイに優しかったあの星人の顔を、
ふと、思い出させるのだった。
そのお話は、また次の機会に――。

――2025年、KANAの問いの旅より
© 2025 KANA / layover 問いの旅 time (トイトイ™)
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