超高齢化時代と代襲相続
日本は今、かつてない超高齢化社会を迎えています。
親が90歳、100歳まで生きることが珍しくなくなった今、相続が発生するまでの間に、不測の事態が発生するケースが増えてくるかもしれません。
今回は、そのような場面で関わってくる「代襲相続」という仕組みについてお伝えします。
代襲相続とは何か
相続人になるはずだった子どもが、被相続人(亡くなった方)より先に亡くなっていた場合、その子どもの子ども——つまり孫——が代わりに相続人になります。
これを「代襲相続」といいます。
「代襲」とは、「代わりに受け継ぐ」という意味です。
亡くなった子どもに代わって、その子どもの子ども(孫)が相続するのです。
具体的に見てみましょう
Aさんには子どもが二人います。
長男Bさんと長女Cさんです。
Bさんにはさらに子ども(Aさんの孫)であるDさんがいます。
Aさんより先にBさんが亡くなっていた場合、Aさんの相続においてBさんの代わりにDさんが相続人になります。
このとき、Dさんの相続分はBさんが生きていた場合のBさんの相続分と同じです。
つまりDさんの相続分は2分の1です。
代襲相続が複数の場合
Bさんに子どもが二人(DさんとEさん)いた場合はどうなるでしょうか。
この場合、DさんとEさんがBさんの相続分である2分の1をさらに二人で分けます。
つまりDさんとEさんの相続分はそれぞれ4分の1となります。Cさんの相続分は2分の1です。
CさんとDさんとEさんの相続分が3分の1ずつになるのではありません。
代襲相続が起きるのはどんな場合か
代襲相続が起きるのは、相続人になるはずだった方が次の状態にある場合です。
一つ目は、被相続人より先に亡くなっていた場合です。
二つ目は、相続欠格に該当する場合です。
相続欠格とは、相続に関して不正な行為をした場合などに、相続権を失わせることをいいます。
三つ目は、廃除された場合です。
廃除とは、被相続人の意思により、家庭裁判所が、特定の相続人(兄弟姉妹は廃除の対象にはなりません。兄弟姉妹には遺留分がないので、被相続人が遺言書で兄弟姉妹に一切相続させないことができるからです。)から相続権を奪うことをいいます。
なお、相続放棄をした場合は、代襲相続は起きません。
代襲相続はどこまで続くか
子どもが先に亡くなっていて、孫も先に亡くなっていた場合はどうなるでしょうか。
この場合はひ孫が相続人になります。
このように、直系卑属(子・孫・ひ孫……)については、代襲相続は際限なく続きます(再代襲相続、再々代襲相続、・・・)。
一方、兄弟姉妹が相続人になる場合(子どもも親もいない場合)は、代襲相続は一代限りです。
兄弟姉妹が先に亡くなっていた場合はその子ども(甥・姪)が相続人になりますが、甥・姪が先に亡くなっていても、その子どもは相続人にはなりません。
子どもも孫もいない場合——相続人は誰になるのか
子どもも孫もひ孫もいない場合、相続人は直系尊属——つまり親や祖父母——になります。
ただし、直系尊属の場合は代襲相続とは異なる考え方で相続人が決まります。
親が存命であれば、親だけが相続人になります。
例えば父親がすでに亡くなっていて母親だけが存命の場合、母親だけが相続人になります。
父方の祖父母が存命であっても、相続人にはなりません。
父母がともに亡くなっていて祖父母が存命の場合は、父方・母方双方の祖父母のうち存命の方全員が相続人になります。
つまり直系尊属については、より近い世代の方が存命であれば、その方だけが相続人になるのです。
代襲相続は、高齢化社会特有の問題という訳ではありませんが、高齢化社会においては確実に増えてくるものと思われます。
知っているようで意外と正確には知られていない仕組みの一つですので、知識として頭に入れておいてください。
大切なご家族を守るメルマガはこちら
大切なご家族を守る生前対策についてのご相談はこちら
