日曜日授業参観事件と映画「十戒」と映画「炎のランナー」 第3回
原告の澤正彦牧師さんは、なぜ、これほど日曜日にこだわるのか?
その理由は、モーゼの十戒にあります。
モーゼの十戒は、旧約聖書の出エジプト記に出てきます。
【モーゼの十戒】
1.主が唯一の神であること
2.偶像を作ってはならないこと
3.神の名をみだりに唱えてはならないこと
4.安息日を守ること
5.父母を敬うこと
6.殺人をしてはいけないこと
7.姦淫をしてはいけないこと
8.盗んではいけないこと
9.隣人について偽証してはいけないこと
10.隣人の家や財産をむさぼってはいけないこと
※Wikiから引用しました。
上記の十戒の4番目に「安息日を守ること」という規定があります。
旧約聖書の原文の日本語訳を見てみましょう。
※1「旧約聖書 出エジプト記 関根正雄訳 岩波文庫」から引用します。
※2上記の箇条書きに合わせて、原文の日本語訳にも番号をつけました。原文には番号はつけられていません。
旧約聖書 出エジプト記 第20章
神は次のような言葉をみな語って言われた、
「わたしは君をエジプトの地、奴隷の家から導き出した君の神ヤハウェである。
1.わたしのほかに君は他の神々を持ってはならない。
2.君は上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水の中にあるものの彫像、いかなる像(かたち)をも作ってはならない。彼らを拝んではならず、これに仕えてはならない。何故なら君の神であるわれヤハウェは妬む神であり、わたしを憎む父たちの咎をその子らに罰して三、四代に及ぼし、わたしを愛し、わが誡命を守る者のためには恵みを施して千代に及ぼすのである。
3.君の神、ヤハウェのみ名をみだりに唱えてはならない。何故ならヤハウェはそのみ名をみだりに唱える者を罪なしとしないからである。
4.安息日を憶えて、これを聖とせよ。6日の間働いて、君のすべての業を終えるがよい。7日目は君の神、ヤハウェのための安息であるから、なんの業をもしてはならない。君も君の息子・息女も、君の奴隷・女奴隷も、君の家畜も、君の門の中にいる君の寄留者もそうである。何故なら6日の間にヤハウェは天と地と海と、その中のすべてのものを造られ、7日目に休まれたからである。それ故ヤハウェは安息日を祝して、これを聖別された。
5.君の父と母とを敬え。君の神、ヤハウェが君に与えられる地で君の日の長からんためである。
6.殺してはならない。
7.姦淫してはならない。
8.盗んではならない。
9.君の隣人に対し偽りの証しを立ててはならない。
10.君の隣人の家を欲しがってはならない。君の隣人の妻、彼の奴隷と女奴隷、彼の牛、驢馬、君の隣人のすべての物を欲しがってはならない。」
旧約聖書の出エジプト記には、「安息日尊守についての指示」もあります。
第31章 45 安息日尊守についての指示
ヤハウェがモーセに語って言われた、
「君自身がイスラエルの子らに語って言いなさい、君たちは私の安息日を守らなければならない。何故ならそれはわれヤハウェが君たちを聖別した者たることを知るため、君たちの後の代々にわたり、わたしと君たちの間におかれたしるしなのだから。君たちは安息日を守らなければならない。何故ならそれは君たちにとって聖きものだから。それを涜す者は必ず死ななければならない。何故ならすべて安息日に何かの工をなす者、その者の生命はその民の間から絶たれなければならないから。6日の間工をなすべく、7日目は厳守さるべき安息日、ヤハウェに聖なるものである。安息日に工をなすすべての者はかならず死ななければならない。イスラエルの子らは安息日を守り、安息日を代々守るべき永遠の契約としなければならない。それは永遠にわたしとイスラエルの子らの間におかれたしるしとなる。6日の間にヤハウェは天と地を作り、7日目に休んで、いきをつかれたからである。」
旧約聖書の出エジプト記の他の箇所でも安息日の規定が出てきます。
契約の書 第23章
6日の間君の業をなし、7日目には安息しなければならない。君の牛や驢馬も休み、君の女奴隷の子や寄留者も息つくことの出来るためである。
再度の契約 第34章
・・・6日の間働らき、7日目には君は休まねばならない。耕し時、穫り入れ時にも休まねばならない。
幕屋の制作準備 第35章
モーセはイスラエルの子らの全集会を集めて、彼らに言った、
「これらがヤハウェがその実行を命ぜられたことどもである。6日の間工をなすべく、7日目は君たちにとってヤハウェのために厳守すべき聖なる安息日とすべきである。すべてその日に工をなす者は死ななければならない。君たちは安息日に君たちの住家のどこでも火をたいてはならない。」
うずらとマナ 第16章
・・・そこでモーセは彼ら言った。
「ヤハウェは次のように言われた。明日はヤハウェの聖なる安息である安息日である。焼くべきものを焼き、煮るべきものを煮て、残ったものをみな翌朝のために保管しておけ」。
そこで彼らはそれをモーセが命じたように朝までとっておいた。しかしそれはくさくならず、虫もわかなかった。モーセがいった。
「今日はそれを食べよ。今日はヤハウェの安息だからだ。今日は君らは野でそれを見出すことはない。6日の間それを集めよ。7日目は安息だ。その日にはそれはない。」
7日目に民の中のある者たちは集めようとして出て行ったが、見出すことが出来なかった。ヤハウェがモーセに言われた、
「いつまで君たちは私の誡命と律法に聞き従うことを拒むのだ。見よ、ヤハウェは君たちに安息を給うたのだ。それ故彼は6日目に君たちに2日分のパンを与えられる。7日目にはおのおのその場所に留まり、そこから出て行ってはならない」。こうして民は7日目に安息した。
要約しますと、
・6日の間にヤハウェは天と地と海と、その中のすべてのものを造られ、7日目に休まれた。
・だから、安息日には休みなさい、働いてはいけない、
・耕し時にも穫り入れ時にも安息日には休まねばならない。
・安息日には料理も作ってはいけない。
・しかも、この安息日のルールは永遠の契約である。
・このルールに背いた者は死ななければならない。
このように、旧約聖書では「安息日には休みなさい」と繰り返し説いています。
ここで、
ユダヤ教では、安息日は土曜日です。
キリスト教では、安息日は日曜日です。
イスラム教では、安息日は金曜日です。
原告の澤正彦さんは、日本キリスト教団の牧師です。キリスト教では、安息日は日曜日です。原告の澤正彦牧師さんは、安息日のルールを、日本でも、昭和の時代にも厳守しようとしたのです。そこで、原告の澤正彦牧師さんは、公立小学校が日曜日に授業参観を行うことに反対したのです。
テキストだけでは、分かりにくいです。
そこで、映画“The Ten Commandments 十戒”を見てみましょう。
ここで、ちょっと補足説明します。
私は高校生の頃、世界史を選択しました。山川出版社の世界史の教科書を読んでみましたが、あまり面白くない。世界史の先生がこんなことを言っていました。
「みなさんは、小学6年生、中学2年生の時に、日本史を学んだ。子供のころからNHKの大河ドラマをみて、日本史に慣れ親しんでいる。ところが、世界史は感覚が分かりにくい。夏休みにレンタルビデオ店で映画「十戒」を借りて観てごらんなさい。映像で世界史の感覚を掴もう。」
そんなわけで、私は高校3年生の夏休みに映画「十戒」を見たのです。私は真面目な高校3年生でした。ああ、恥ずかしい!
映画「十戒」は、旧約聖書の「出エジプト記」を壮大なスケールで映画化したスペクタクル史劇です。ハリウッド創成期の巨匠セシル・B・デミル監督・チャールトン・ヘストン主演。1957年制作です。
Youtubeで映画“The Ten Commandments 十戒”を簡潔に紹介している動画があります。その動画を見てみましょう。
モーゼがイスラエルの民を率いてエジプトから脱出します。
モーゼの奇蹟で海が左右に割れて、エジプトの軍勢からなんとか逃げ切りました。
その後、イスラエルの民は、シナイ半島の砂漠をさまよいます。
モーゼがシナイ山に登って、ヤハウェから「十戒」を受け取ります。
その場面をご覧ください。

Moses Receives The Ten Commandments
https://www.youtube.com/watch?v=VQRjp_62uj0
※FaithGenreさんの投稿から引用しました。
上記の映像の2:04-2:16にご注目下さい。
Remember the Sabbath day, to keep it holy.
「安息日をおぼえてこれを聖とすべし」
ここです。ここに安息日のルールが登場するのです。

Moses Parts the Sea –
The Ten Commandments (6/10) Movie CLIP (1956) HD
https://www.youtube.com/watch?v=OqCTq3EeDcY
※Movieclipsさんの投稿から引用しました。
海が割れる場面は、とても有名です。
モーゼの十戒と映画「十戒」についての解説はここでひとまず終わります。
次回は、日曜日に授業参観事件の判決文に戻って、
被告の江戸川区立小岩小学校の校長先生の主張を紹介します。
