人生はいつも小雨 - 大人の自由は不安とセット
家を出ると、ほんのちょっとだけ雨が降っていた。
どうせすぐ止むだろうと思い傘を取りに戻ることをしなかったら、雨が本格的に降ってきた。
人生とは、おおむねこういうものである。
傘を取りに家に戻ったとしても、今度は雨は完全に止み、傘を取りに戻ったことで乗るはずのバスを逃したりするのだ。
人生とは、いつもほんのちょっと小雨に降られているみたいなものだと思う。
我慢すれば耐えられるものの、そりゃあ晴れた方がいいよ、という状態がダラダラと続いていく。
結局、雨に濡れながら、人生の自由について考える。
以前、転職期間に数ヶ月ほど無職の期間ができた。毎日満員電車で仕事に向かっていたわたしは、転職までの自由時間を心から喜んだ。
(数ヶ月後に就く仕事が決まっていることが重要。無期限の自由時間ではなくて)
最初の数日は、何もせずに終わった。
文字通り何もしていないのだが、寝て起きて、ごはんを食べて、スマホを触っていると1日が終わる。
本を読んだり映画を観たり出かけたりといったことは、心の余裕がないとできない。
数週間後、やっと現れた「心の余裕」に入り込んだのは、自由を謳歌することではなく「不安」だった。
それは、歩き始めたころに降り始める小雨のようだった。小雨は時間が経つにつれて、じっくり服を濡らし、わたしを冷やしていく。
次の仕事はどんな感じだろう。
数ヶ月も収入がないなんてどうしよう。
今日もみんなはコツコツと日々を積み上げているのに、わたしは寝て起きてコンビニ行ってYouTube観て終わってしまった。
一度不安がやってくると、ずーっと不安について考えてしまう。要するに暇なので。
その後わたしは無事に新たな生活をスタートさせたのだが、あのときの経験で学んだのは、
「大人の自由は不安とセット」
ということだ。
心から楽しめる自由は、大人にとって、とても貴重なものなのだ。
無職でも不安だし、新しい仕事が始まったら始まったで、新たな悩みがやってくるものだ。
人生はいつも小雨。
それでも、心の中の小さな花は、雨に濡れたときのようにキラキラと輝いている。
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