「ネパール人エンジニアは、なぜ「勉強」が好きなのか。学習意欲の高さの裏にある、ある文化的背景の話」
業務が終わった夜7時。
カトマンズの開発センターに、まだ明かりがついている。
残業じゃない。自主勉強会だ。この日のテーマはAWSのサービス設計。参加は任意。それでも8人が集まって、ホワイトボードを囲んでいる。
「なんでそんなに勉強するの?」と聞くと、決まってこう返ってくる。
「もっとできるようになりたいから。それだけです」
シンプルすぎて、逆に驚く。でも、この「学びたい」という感覚の背景には、ネパール特有の文化的な文脈がある。
「教育が唯一のチケット」という国
ネパールは、経済的に豊かな国ではない。一人当たりGDPは約1,300ドル(2024年時点)。東南アジアの中でも低い水準だ。
この環境の中で、教育は「唯一の確実な上昇手段」として文化に根付いている。
農村部から都市に出てきた若者の多くが、「家族を養うために、自分が稼げるようにならなければ」という強い使命感を持っている。エンジニアという職業は、その手段として非常に明確だ。手に職がつく。海外の企業と仕事できる。収入が上がる。
だから、学ぶことへの姿勢が根本的に違う。「勉強しなければならない」ではなく「勉強しなければ先がない」という切実さがある。これは批判じゃなく、エンジニアとしての強さの源泉だ。
「師を敬う」文化
ネパールにはヒンドゥー教の影響を強く受けた「グル・シシャ」という概念がある。グルは師匠、シシャは弟子。師匠を深く敬い、その教えを吸収することが美徳とされる文化だ。
これがビジネスの場でどう出るか。
先輩エンジニアやPMの話を、真剣に聞く。 メモを取る。後で質問を持ってくる。「言われたことをちゃんとやる」という姿勢が、日本のビジネス文化と非常に相性がいい。
日本も「先輩の背中を見て学ぶ」という文化がある。この点で、ネパールのエンジニアと日本の現場は、思った以上にフィットする。
一方で、前述した「階層意識」の課題もある。師匠への敬意が強すぎて、意見を言いにくくなることがある。この点は、1on1やフラットな対話の場を意図的に作ることで補完している。
試験文化と「証明したい」欲求
ネパールのエンジニアに、資格取得への意欲が高い人が多い理由がある。
ネパールの大学入試は非常に競争が激しい。限られた定員に対して、全国から志願者が集まる。その環境で育ったエンジニアたちは、「数字で証明する」「資格で示す」という習慣が身についている。
JLPTの日本語能力試験を受けるエンジニアが多いのも、この文脈だ。「N2を取った」という事実が、自分の努力の証明になる。AWSの資格、Googleの認定資格——こういったものへの関心も高い。
ラストパートナーの開発センターでは、資格取得を会社としてサポートしている。受験費用の補助、勉強時間の確保。それが離職率の低さにもつながっている。「ここにいると成長できる」という実感が、人を引き留める。
「失敗を恥ずかしいと思わない」メンタリティ
これは、日本のエンジニアと比較したときに目立つ特徴だ。
日本では「わからないことを聞くのは恥ずかしい」「失敗したら評価が下がる」という空気がある現場も多い。これが、問題の早期発見を妨げることがある。
ネパールのエンジニアは比較的、「わからない」と言いやすい。「これはどういう意味ですか?」「この実装でいいですか?」という質問が頻繁に来る。
最初は「質問が多いな」と感じる日本人PMもいる。でも冷静に考えれば、わからないことを確認してから進む方が、手戻りが圧倒的に少ない。
「質問が多い」は「理解しようとしている」の表れだ。これはむしろ、開発現場では美徳だ。
「コミュニティ」で学ぶ文化
ネパールのIT業界には、コミュニティ文化が根付いている。
カトマンズには「KU Open Source Community」「Google Developer Groups Nepal」など、エンジニア同士が集まって勉強するコミュニティが複数ある。週末に勉強会を開いて、最新技術を共有する。登壇して発表する。これが当たり前の文化だ。
ラストパートナーのエンジニアも、こうしたコミュニティに積極的に参加している。社外のエンジニアとつながり、最新の情報をキャッチアップする。それが仕事にも還元される。
「会社の中だけで学ぶ」ではなく「業界全体で学ぶ」という感覚が、ネパールのエンジニアには自然にある。
なぜこれが日本の発注側にとって重要か
ここまで読んで、「文化の話は面白いけど、ビジネスに関係あるの?」と思った人もいるかもしれない。
大いに関係ある。
学習意欲が高いエンジニアは、プロジェクトの中で成長する。 半年前より今の方が、明らかにスキルが上がっている。長期的に付き合えば付き合うほど、チームの質が上がっていく。
これは、フリーランスや人材派遣との大きな違いだ。スポットで使う人材は、プロジェクトが終われば関係も終わる。でも、学び続けるチームと長期で組めば、時間とともにパートナーシップが深まる。
ラストパートナーのクライアントの中には、2年・3年と継続して付き合ってくださっている会社が複数ある。「チームがプロダクトを理解してくれている」「毎回説明し直す必要がない」という声をよくいただく。
これは、学習意欲の高さがもたらす長期的な恩恵だ。
株式会社ラストパートナーについて
ラストパートナーは、ネパール人エンジニアを活用したオフショア開発を提供する会社です。
✅ ネパール現地に自社開発センター・日本語学校を保有
✅ 日本人PMがプロジェクト全体を管理・橋渡し
✅ 国内開発と比較してコスト約60%削減を実現
✅ 業務系システム・Web開発が得意
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