SNSが引き起こした山県市の観光公害
山県市が、北部で起こっている「観光公害」について対策の実証実験を行っている―という記事(4日付中日新聞)。近年、SNSの発達で地元民以外は知らなかったような場所にまで域外の人が押し寄せるようになって、いわゆる観光公害化が進むケースが相次いでいる。実証実験は「イタチごっこ」のようなものではあるが、今、岐阜県内では観光公害が酷くなっている。
詳細は記事の通り。山県市でも北部の旧美山町地域を流れる神崎川や円原川は、透明度抜群の川と、木陰から光が差し込む「シャー」が美しい。よく宮崎アニメ「もののけ姫」のワンシーンみたいと評される。ただ、この辺りは元々地元民しか立ち入らない場所で、水遊びだって地元にゆかりのある人だけが楽しめる場所だった。それがSNSなどで公開され、しかも場所も特定され、撮影に来る人やレジャーで来る人が増加。今回、立ち寄りたい人には有料駐車場を利用してもらったり、不法投棄対策で監視カメラを設置するなど、地域住民に悪影響を及ぼさないよう各対策を施してみる―と相成った。
ドクターイエローとヒマワリの共演が最後を迎える大垣市のヒマワリ園の有料化も似たようなところから始まっている。
SNSが引き起こした観光公害といえば、旧美山町と境を接する関市の旧板取村地域にある「モネの池」。湧き水の透明度が高く、コイはさておき水面に広がるスイレンが印象派の大家クロード・モネの「睡蓮」に似ているところから、今でも注目を集めているが、実は根道神社のほとりにある名もなき池であり、ただの民地の池でしかないのに観光地化されてしまった。関市も観光地として積極的には売り出していない。公有地でもなく神社の土地でもなく、これ以上人が増えると、道路わきの駐車場から車が溢れて交通渋滞を引き起こしたり、住民が現地周辺を通れなくなるからだ。
直近で注目を集めているのが、本巣市の旧根尾村にある「金原ダム」の魚道。エメラルドグリーンの水が魚道から越水している情景が涼し気―とSNSで注目され、人が集まっている。ただ、現地は国道沿いにあって多少の駐車スペースはあるものの、それ(観光)用に整備されていない。いダム作業員への邪魔になるし、路上駐車は事故の源でもある。
地元民からすれば普通の景色が域外からは希少と見られて人が集う。新たな観光地はビジネスを産むかも知れないが、それ以上に公害(迷惑)の方が多い。冒頭の件も含めて、観光公害対策は先手を打つべきだと思う。
