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トランプシズムの時代が始まるのか?

 先日、米国の俳優・ロバート・レッドフォードの訃報が伝えられた。
 1960年代~1980年代にかけ、米国の二枚目俳優として人気を博していた。
 実質的俳優業を引退してからは、ハリウッド的ではない(=大掛かりで制作費用も莫大な映画製作)映画人の育成を目的とした、スクールなどを運営していた、映画人だった。
 そのレッドフォードの代表作と言えば、洋画ファンそれぞれの思い入れがあると思うのだが、やはり「明日に向かって撃て」や「スティング」といった作品を挙げられる方は多いのでは?と思っている。

 私が今好きな映画の一つとして挙げるのであれば、「追憶」かもしれない。
 第二次世界大戦の頃に出会いから、戦後の結婚、そしてレッド・パージが吹き荒れる最中での離婚、20年後公民権運動が盛んになり始めた頃、再び街中で出会い、それぞれ違う人生を歩んでいることを認め合い別れる、というのが大まかな話だ。
 レッドフォードの相手役はバーブラ・ストレイザンド。
 主題歌の「The Way We Were」は、公開された年のアカデミー賞の主題歌賞を受賞するほど、映画とともに大ヒットした。

 何故その映画を今思い出したのか?と言えば、今の米国社会が映画に登場する「レッド・パージ」と似ているような気がしたからだ。
 レッド・パージあるいはマッカーシズムと呼ばれる、当時の米国政府が行った共産主義者に対する排斥運動のことだが、根拠すらなく「共産主義者らしい」と指摘されるだけで、仕事を失うような時代でもあった。
 このレッド・パージを嫌い、スイスに亡命したのが喜劇王・チャールズ・チャップリンだった。
 それほどまでに、映画人をはじめとする表現者たちが迫害されたのが、レッド・パージでもある。

 そして今まさに、米国でトランプ氏が進めようとしている政策が、このレッド・パージそのものではないのか?という気がしているのだ。
 その波は、日本にも波及し始めているようで、先の参院選で大躍進をした政党が掲げる政治思考は、まさにレッド・パージそのもののような気がするのだ。

 これまで米国は、異質な文化を受け入れることで、国が発展してきた、という歴史がある。
 多様な価値観があったからこそ、経済力で世界一になった、ということなのだ。 
 多様な価値観を受け入れる=グローバリズムの先駆者となり、世界の市場を獲得することで、米国は経済力をつけてきたと言っても過言ではない部分が大きい。
 もちろん、米国の主要産業は軍事産業である、という指摘がある通り、第二次世界大戦後、米国がかかわってきた戦争や紛争は数多くあり、その度毎に米国の軍事産業は大きく成長した、という事実はある。 
 それらの技術が転用され、経済が大きく発展してきた、ということもまた事実なのだ。
 一例をあげるとすれば、現在私たちが当たり前のように使っているインターネットワークは、元々軍事目的のネットワークとして考えられ、構築されてきた、という経過がある。
 米国の経済的発展は、そのような軍事からビジネスへの転用によってもたらされてきた、と言っても過言ではない部分が少なからずある。

 トランプ氏の掲げる「アメリカファースト」は、米国民の中でもWASPと呼ばれる、旧米国内における支配層を対象とした優遇策であり、トランプ氏と違う考えを持つ人達を徹底的に排除するという、かつての「マッカーシズム(=レッド・パージ)」を彷彿とさせる、「トランプシズム」と言えるのではないだろうか?

 上述した通り、米国の発展には「多様性」が大きく関わってきて。
 その多様性を排除する先にあることとは、衰退なのではないだろうか?
 そしてそれは、今の日本にも言えることのような気がしている。

 

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