「えんぴつはどうして正しく持たなきゃいけないの?」
娘が小学生の頃、食事中に夫が「変な箸の持ち方してるよ。大人になったら、笑われるから直しな〜」と、ねちねち言っていた。
横で聞いていて気分が悪かった。
夜、夫と2人のときに「ねぇねぇ、どうして箸とかえんぴつって正しく持てなきゃいけないのかな?」と聞いてみた。
夫 「みんなそうしてるでしょ」
私 「みんなしてるからするの?」
夫 「そうなんじゃない。多いんだからいいことなんじゃないの」
と、若干めんどくさそう。
私 「多いといいの?でも、ヒトラーって選挙で選ばれてるよ。ヒトラーっていいの?」
夫 「……知らないよ。考えたこともなかった。」
箸の持ち方の話をヒトラーの話まで飛躍するのは屁理屈だろうか。
でも、あまり深く思考しないで人にあれをやった方がいいだの、これは駄目だのという人には、これくらいの飛躍した話にした方が手っ取り早く伝わる気がする。
別に、夫を言い負かしたかった訳では無い。
ただ、「笑われるから正しく持て」という理由が気に食わない。
じゃあ、正しく持ててない人を見たとき、あなたは笑うのですね。
そして、そう教えられて正しく持てるようになった子は、持てない人を笑う子になりますけど、それでいいんですか?
と、問いたい。
ねちっこいですか?
多少、自覚してます。
かくいう私も、箸も鉛筆も正しく持てない子だった。夫と付き合うようになり、ねちねちうるさいので直した。ただ箸は普通に持てるようになったが、鉛筆は未だ変な持ち方の方が早く綺麗に書ける。
たしかに、社会に出て箸をちゃんと持てたほうが良いとは思う。
ねちねち言ってくれた夫には感謝している。
ただ、理由が気に食わない。
そんなふうに子どもに教えたくない。
小学校1年生のときの、担任の先生は優しくておおらかで人間として尊敬できる良い先生だった。
でも、あの先生も言った。
「文具、鉛筆は正しく持ちなさい」と。
でも、なんでなのかは教えてくれなかった。
その後も担任が変わるたび、言われた気がする。
でも、私の納得できる理由を言ってくれた先生はいない。
だから、直さなかった。
こういう、理由はよくわからないけど、みんなが絶対と思ってる正義のようなものが時々こわい。
空っぽの箱を渡されてるような気持ちになる。
「ほら、これ持っておきなさい」
「みんな持ってるから」
「どう、これキラキラしたキレイな箱でしょう?」
と。
こわい。
いえ、私箱はいらないんです。
中身が知りたい。
その箱の中身はなんですか?
のっぺらぼうが笑って答える。
「知らない」
怖すぎる。
なんでみんな空っぽの箱を平気で持っていられるんだろう?
そんで、そのよくわからないものを人に勧められるんだろう。謎だ。
ある朝、娘が頭が痛いと言った。
熱はない。学校には行ける。
「もし、学校で我慢できなくなったらすぐ保健室に行きなさい」と言った。
「保健室あんまり行きたくない。」と、娘。
理由を聞くと、
「だって、保健室の先生。わたしが名前を書くのをみて「気持ち悪い持ち方しないで、見てて嫌だ」っていった。」という。
おお。
ものすごくどストレート。笑
でも、なんだろう。妙に納得。
「そっか。そりゃ嫌だったね。でもさ、自分が嫌だからやめてっていうその先生はなんかいいね。」
と、私が笑っていると娘は怪訝な顔をしていた。
また、ママがわけのわからないことを言ってる、という目をしてる。
ちゃんと、説明する。
「いや、人に笑われるからとか人がどうっていう言い方じゃなくて、【自分が】ってちゃんと自分の意見として言ってるのがいいなって」
まあ、言い方はどうかと思うけど。
「学校も社会も自分だけの場所じゃないから、見てて嫌な気持ちになる人がいるなら直した方がいいね。せめて、そういう人の前でだけでも。」と、妙にストンと答えが出た気がした。
海外ではどうなのでしょうね?
鉛筆の持ち方教えられるんですかね?
ネット調べた時には、たしかアメリカとかは特に教えないと書いてた気がするけど、ネットの情報も当てにはできない。
博識なきのころさんなら知ってるかしら、と思う。
