しれネコ画伯、夏に負ける[ぽーちゃん呪文ありがとにゃん]
湖のそばのアトリエで、
しれネコは真っ白なキャンバスを前に宣言しました。
「今日は、夏を完璧に描くにゃ!」
しろくまが聞きます。
「何から描くの?」
「そこは今から夏に聞くにゃ」
計画は、ありませんでした。
すると窓から風が入り、
白いカーテンが、ふわっ。
湖の水面も、ゆらゆら。
「来たにゃ! 夏、動くなにゃ!」

しれネコが急いで描き始めると、
風はすぐに止まりました。
「……夏、協調性がないにゃ」
次は、湖の光と風鈴。
ところが光はまぶしく、
風鈴は待っていると鳴らず、描き始めると鳴ります。
ちりん。
「今にゃ!」
しれネコが振り向くと、もう止まっています。
「画伯に合わせる気が、まったくないにゃ!」
さらに、ひまわりを描き始めましたが、
花びらが多すぎて途中で飽きました。
「七枚あれば、十分ひまわりにゃ」
「まだ別の花だよ」
「見る人の想像力に任せるにゃ」


そのとき突然、強い風が吹き込みました。
カーテンはばさばさ。
花びらはひらひら。
色鉛筆はころころ。
しれネコの帽子まで飛びそうになります。
「帽子を押さえる手と、描く手が足りないにゃ!」
「しっぽを使えば?」
しれネコは、しっぽで帽子を押さえようとしました。
もちろん、届きません。
「しっぽ、こういうとき役に立たないにゃ!」
しろくまは無言で、床の色鉛筆を集め続けました。


風が止むと、しれネコはすぐに言いました。
「大事件のあとには休憩が必要にゃ」
冷たいラムネを持ち、瓶の中のビー玉を見つめます。
「この玉、どうやって出すにゃ?」
「出さないよ」
「閉じ込められてるにゃ!」
「そういう瓶だから」
「では、助けるために全部飲むにゃ」
ただラムネを飲みたいだけでした。


休憩のあと、絵を見ると、
風も水も光も花も、ちゃんと一枚につながっていました。
残ったのは、ひまわりの花びら一枚だけ。
しれネコは筆を止めます。
「これを描いたら終わるにゃ」
「うん」
「終わる前に、もう一回休憩するにゃ」
「さっき休んだよ」
「完成前休憩と最終休憩は別にゃ」
しろくまは何も言わず、ラムネを遠ざけました。
しれネコは仕方なく、最後の花びらを描きます。
すうっ。
「できたにゃ!」
湖の光も、風鈴の音も、飛ばされた帽子も、
全部が絵の中に残りました。
しれネコは胸を張ります。
「完璧な夏にゃ」
しろくまは床を見ました。
転がった色鉛筆。
こぼれた水。
飲み終わったラムネ。
「アトリエは完璧じゃないね」
しれネコは完成した絵だけを見つめました。
「画面の外は、作品に含まれないにゃ」


おしまい。
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ぽーちゃん、遅くなったにゃ💦物語にしたにゃよー🐾
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