期間限定!!物理力飛躍の秘訣
物理の力を底上げしたい。
標準問題は解けるけど、ひねられると無理。
あともう一歩できるようになりたい!
こんなお悩みをお持ちの受験生に朗報です。東京大学に悔しくも0.066点差で不合格になった私が、受験生のために物理力をあげる方法をお伝えします。
1.受験期の成績
第一回東大実戦

本試験

図1,2のように成績が飛躍したことがわかります。しかし、その過程で様々な苦労や悔しさを経験しました。私のように、どんなに凡人でも、「正しい勉強をすれば報われる」ことをお伝えしたいです。
2 .物理が「できる」人と、できない人の差
成績が伸びたのは共通テスト後の1ヶ月の間です。それまでは東大実戦や駿台全国模試では偏差値50すら到達していませんでした。しかし、気になるのは共通テスト模試では100点か、あって1問ミスでした。なぜでしょうか。それは
「典型問題は解けるが、物理的思考を要する発展問題には対処できない」
ということです。共通テストでは「公式の運用」や「資料を正しく読んで、よくある解法に落とし込む」ことがほとんどです。なので、公式と解法を丸暗記していれば、高得点を取得できるのです。これが初期の私の状態でした。逆を言えば、型から外れた問題には太刀打ちできないのです。例を見てみましょう。
例1「公式の運用」
図3のように、あるコンデンサーに誘電体が挿入されている。空気の誘電率を$${ε_0}$$、誘電体の比誘電率を$${ε_r}$$、コンデンサーの上板と下板の面積をSとするとき、誘電体内部の電場を求めよ。ただし、電場の漏れは無視できるとする。

(略解)
誘電体内部の誘電率は、$${ε_r}$$・$${ε_0}$$である。よって、内部電場は$${\frac{Q}{{ε_r}{ε_0}S}}$$
となる。
例2「原理の理解」
上記の図3のように、あるコンデンサーに誘電体が挿入されている。空気の誘電率を$${ε_0}$$、誘電体の誘電率を$${ε}$$、誘電体の比誘電率を$${ε_r}$$、コンデンサーの上板と下板の面積をSとするとき、$${ε_r}$$を$${ε_0}$$と$${ε}$$で表せ。ただし、電場の漏れは無視できるとする。
(略解)
コンデンサーに誘電体を挿入すると、コンデンサーの電場Eを打ち消すように、誘電体内部に電場が生じる。結果、内部の電場は$${\frac{E}{ε_r}}$$となる。これを数式化すると、
$${\frac{E}{ε_r}}$$=$${E-\frac{Q}{ε}(E=\frac{Q}{ε_0})}$$
$${\therefore {ε_r}=\frac{ε}{ε-ε_0}}$$
いかがでしょうか。例2を典型題と思える方は、素晴らしいです。よく演習できていると思います。しかし、例2のような問題は一般的な問題集には載っておらず、模試や入試で初めて出会う可能性が高いと思われます。この問題は、誘電体を挿入したときに内部の電場はどうなるのかを考えたことがある人が解ける問題です。
3.発展問題に対処する勉強法
ここまで少し長くなりましたが、上記の「例2」のような問題に初見で解ける方法を示していきます。
・問題集や模試、入試問題を解いた際に、以下の流れで復習する。
(イ)答えが一致した場合
①その答えの導き方は適当か?偶然出た答えではないかを考える。また、もっと素早く解けないかを考える。例えば、物体を時間による追跡を行ったが、エネルギーなら1式で答えが出せた。
②この問題から何を学べるかを考える。これは自由に考えればよく、具体例を以下に示します。
「位置エネルギーの定義はそもそも何か?」「この条件を無くすと、物体はどのように運動するか。」「エネルギーではなくて、力積と運動量の関係を使うとどうか。」「他にどんな束縛条件があるか。」「ひもが仕事をしないのはどんな限定条件がある時か?」「棒が棒方向にしか力がはたらかないのは、質量に関してどのような条件があるときか?」
(ロ)答えが一致しない場合
①ミスの原因を考える。ケアレスミスなら、ケアレスミスを誘発した原因を考える。知識や考え方が誤っていたなら、普段の学習で何を間違えたかを考える。例えば、自分の理解が浅かったり、勘違いしていたりしたのかを追求する。
②答えを覚えるのではなく、それに至るエッセンス(概念・物理的な考え方)をノートなどに書く。また、自分で考察したものを全て書き下すとよい。
③この問題から何を学べるのかを考える。((イ)の場合と同様。)
4.私の物理力が飛躍したとき
共通テストが過ぎ、模試の成績も悪い中、不合格が頭の中にチラつきました。しかし、なんとしても東大に合格すると志していたので、(落ちましたが。)勉強法を正そうと考えました。何かを変えなければ飛躍しない。そこで、今まで私が「型にはまった問題を暗記する」姿勢にあると発見しました。上記のように「原理・概念」を徹底的に追求すると、だんだん思考力が身につきました。例えば、「棒にはたらく力」はなんとなく「棒方向」だと理解していましたが、必ずしもそうではないと気づきました。(棒方向に限定して良いのは、質量が無視できる場合です。慣性モーメントが0になり、棒にはたらくモーメントが0になるので、棒方向にのみ力がはたらく。)この勉強法で、わずか一ヶ月で得点が上がりました。試験一週間前には、東大実戦やオープンの模試演習で、45点から50点をキープしていました。本番でも自己採点は52点で、合格を確信しましたが、不合格でした。
5.具体的な勉強法と使用教材
私は直前の一ヶ月で気づき、得点を伸ばしましたが、早くからそう勉強していれば、もっと得点できていたはずです。なので、最適な教材と具体的な勉強法を以下に示します。詳細は別記事を参照ください。
①基礎内容(公式や解法・原理の理解)
学校や塾の授業→物理のエッセンス→理論物理の道標
*書いていないことも、自ら探究してみましょう。例えば、「位置エネルギーという概念はなぜ登場した?」「保存力のする仕事は何と等しい?」など、答えられますか。
*物理のエッセンスは初期段階で理解を深めるのにはちょうど良いですが、注意が必要です。一部、解法を重視するため、物理的に誤った表現があります。例えば、「電荷のたまっていないコンデンサーに電源を繋ぐと、初めは導線として機能する。」これは、明らかにおかしいです。コンデンサーは導線ではありません。電荷が上板から下板に直接「飛ぶ」ことなど起こり得ません。しかし、解法としては、受験生にわかりやすいことも否定はできません。
②演習(インプットした理論をアウトプットする)
学校の問題集(セミナーなど)→良問の風→名問の森→物理理系上級問題集
*勉強の仕方は上記の2・3をご覧ください。
*「名問の森」までは、拘束条件を扱う問題がほぼないので、「物理理系上級問題集」でトレーニングしましょう。
*「理論物理の道標」にも問題はありますが、任意とします。
③過去問演習(時間配分や解く順番を選択する)
時間内に全問解き切ることが一番良いですが、なかなかうまく行かないと思います。詳細は別記事で解説しますが、以下の点に注意しましょう。
・ある問題で時間をかけすぎていないか。
・一問あたり何分かけて良いか。
・見落としをした原因は何か。
・(2)は解けなくても、(3)は解けたのではないか。
以上が、物理力を最短で上げる最も効率の良い方法です。ぜひ、答えが合うか合わないかではなく、「理論の理解」を徹底して、合格を勝ち取ってください。各項目の詳細は別の記事で紹介します。何か希望等ありましたら、コメントをいただけると幸いです。
