フローティングセルヴェージ
投稿日:2026/06/08
フローティングセルヴェージとは
フローティングセルヴェージ floating selvedges とは、張った経糸の両端に1本ずつ追加される経糸で、綜絖には通さず張られています。
フローティングセルヴェージが必要となるのは、一般的に端の経糸が2本以上連続して、2段以上にわたって上がったまま、あるいは下がったままになる場合です。例えば、綾織や、緯糸が長く浮くことで模様を作る織物で、平織では不要です。
フローティングセルヴェージに緯糸を巻き込むことで、緯糸が端より内側で折り返し、耳(セルヴェージ)が乱れるのを防ぎます。
フローティングセルヴェージのセット
私はほとんどの場合、整径時に2本追加するだけで、通常通り経糸を織り機にセットします。ただし、両端の2本のフローティングセルヴェージは、綜絖には通さず、筬に通します。
そして、予めS字フックを付けておきます。
織り進めるうちに糸が緩んできたら、S字フックに重りを付けて張りを調整します。
2つ目の方法として、通常通り経糸をセットした後で、フローティングセルヴェージを追加します。フロントバーには結び付けますが、バックバーには結ばず、床近くで糸をまとめ重りを付けて垂らします。もちろん綜絖には通しません。

杼の下の糸がフローティングセルヴェージです
この写真の筬通しは、A(両端のみ2本/歯、他は1本/歯)でセットしました。写真はありませんが、Bに通した場合、全て1本/歯になります。
私が見た資料ではBの方が多かったのですが、前回投稿したKrokbragdのマットをAとBの両方で織った結果、Aの方が耳がきれいになりました。

フローティングセルヴェージの糸の太さ
私は隣の経糸と同じものしか使ったことはありませんが、細い糸を使うことも多いようです。耳を整えるのが目的なので、存在感は必要ありませんから。とはいえ、切れやすい糸はお勧めできません。
重り
昔のフィルムケースに硬貨を入れたり、薬などのボトルを使ったりしますが、私は最近父が使わなくなった釣りのおもりを使っています。種類が豊富で状況に応じて細かく調整できます。
開口時のフローティングセルヴェージの高さ
織機の種類(しくみ)により、高さが変わります。私の使っている織機では、おおよそ開口の中央に位置します。
織り始める前に、高さを確認しておいてください。
杼の入れ方
次の1段を織る際に、フローティングセルヴェージを回るように(包むように)杼を入れます。
例えば、緯糸がフローティングセルヴェージの下にある時は、次の段では杼を上から入れます。
基本は、上から入れて 下から出す or 下から入れて 上から出す のどちらかです。
私はもともとフローティングセルヴェージの下から杼を入れ、反対の端で上から出すようにしていましたが、組織によっては逆の方が織りやすいと感じます。
私の織機は、フローティングセルヴェージの高さが開口の中央なので、どちらでもあまり変わりないからです。
もし、開口の中央より下にあるならば、上から入れて下から出す方がやりやすいように思います。
最近「上から入れて上から出し、次の段で下から入れて下から出す」という動画を初めて見ました。
片側では上を通り、反対側では下を通る、あるいはその逆が当たり前だと思っておりましたが、緯糸がフローティングセルヴェージを回り込みますので問題ないですね。
フローティングセルヴェージの追加方法や杼の入れ方にはさまざまな考え方があります。私自身も試行錯誤を続けていますが、織機や織る組織によって結果が変わることもありますので、ぜひいろいろ試してみてください。
追記 2026/06/11
カナカナ名にいつも苦労します。
コメントを下さった方が「フローティングセルヴェッジ」と書いてくださり、おそらく一番英語発音に近いのではと思います。「フローティングサルベージ」と書かれている方もいらっしゃり、なかなか幅広いですね。
私はフローティングセルベージ floating selvage と習いましたが、検索したところ同義語selvageは、マイナーな使い方のようです。
最後までお読み下さりありがとうございました。
Grazie mille (^ε^)-☆Chu!!
