【ハワイ聖地案内】114. ノウノウ山(スリーピング・ジャイアント)──眠ることで、大地はすべてを支えている
はじめに──眠っている巨人の背中へ
カウアイ島東部、ワイルアの谷を見下ろすように、ひとつの山が横たわっている。
ノウノウ山(Nounou Mountain)。
その稜線は、人の横顔や胴体を思わせ、西洋人によって「スリーピング・ジャイアント(眠れる巨人・Sleeping Giant)」と呼ばれてきた。
だが、この山を前にして感じるのは、威圧感でも、畏怖でもない。
まず胸に広がるのは、深い安堵だ。
キーラウエア灯台が、魂の進路を問いかける場所だとすれば、ノウノウ山は、問いを抱えたまま、ただ身を預けることを許す場所。
何かを決めなくてもいい。
答えを出さなくてもいい。
ただ、ここに在ればいい。
ノウノウは、そう語りかけてくる。
自然・地理的特徴──横たわる大地の身体
ノウノウ山は、カウアイ島東部、ワイルア川流域の背後に広がる山塊だ。
標高は約370m。決して高い山ではない。
ハイキングコースもあり、気軽に山頂を目指せるし、山頂からの景色は言うまでもなく絶景が広がる。
だが、その存在感は、数値では測れない。
この山の特徴は、「立ち上がる」のではなく、横たわるように連なる稜線にある。
遠くから見ると、確かにそこには、仰向けに眠る巨人の姿が浮かび上がる。
頭部、胸、腹部、脚。
稜線は、人の身体のプロポーションと驚くほど重なっている。
地質的には、ノウノウ山もまた、カウアイ島を形成した古代火山の一部だ。
だが、この山は噴火の痕跡を誇示しない。
長い時間をかけて雨と風に削られ、丸みを帯び、柔らかくなった。
山肌を覆うのは、濃い緑。
シダ、ククイ、オヒア、野草。
急峻さよりも、抱くような形状が際立つ。
ここは、登頂を競う山ではない。
大地の身体に、静かに触れる場所だ。
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