「life cocktail」というBar つづき⑦
あの夏の日々は、まるで白昼夢のようだった。
彼の手が私の手を包んだ瞬間、私はその場に縛りつけられたような気がした。何も考えられなくなり、波の音だけが耳の奥に響いていた。ほんの少し触れただけで、こんな気持ちになるなんて、自分でも信じられない。
彼は悪い人だったのかもしれない。いや、たぶんそうだ。私の心を揺さぶっておきながら、きっとどこかで他の誰かの名前を呼んでいる。けれど、それでもかまわなかった。私は彼の腕の中にいる瞬間だけを生きていた。
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