OKLOの挑戦:AI時代の原子力発電ソリューションと投資家が待ち続ける理由
米国時間の3月24日(月)に決算発表を行ったOKLO(OKLO)は、通期における7,360万ドルの損失を計上。これは2023年度の3,210万ドルの2倍以上にあたる損失です。そして、Q4には予想を上回る損失を報告したことから、25日のザラ場で株価は9%近く下落しました(前日には、同社が米国原子力規制委員会と申請前の準備評価で協力していると発表したことが材料となって株価が14%急騰していました)。売上のない同社は、フリーキャッシュフローもマイナス3,090万ドルと、昨年比でマイナスが約2倍に増えており、2025年度もさらなる赤字が見込まれています。
同社は、財務的に赤字のアーリーステージ企業であり、今後も多額の経費と継続的な財務上の赤字が発生することが予想される、と述べていますが主力原子炉「オーロラ」の開発によって更なるエネルギー生産供給を目指しています。
そんなOKLOの決算発表のあった翌日にCFO迎えたSchwab Networkのインタビューコンテンツを紹介します。
2月半ばをピークとした相場全体の流れと同様、ひと山越えて一旦底をついてわずかに株価戻しているように見えますが、投資対象としては、まだまだ高値に近づくには少なくとも時間がかかりそうな状況でしょうか。
1. インタビュー
[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
次のゲストは、OKLOの最高財務責任者であるクレイグ・ビールミアさんです。今回は、四半期の決算について、エネルギー分野、特に原子力エネルギーの状況を見ていきます。お越しいただきありがとうございます。
[クレイグ・ビールミア](OKLO)
後ろから興奮した音が聞こえてますが。
[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
はい、ここ証券取引所はいつも活気がありますので、すみません。

[クレイグ・ビールミア](OKLO)
今回の決算発表では、いくつか非常に喜ばしいポイントがありました。まず、これまで提供してきた50メガワットの発電システムを、75メガワットまで引き上げることが可能になったという点です。
そして昨日、原子力規制委員会との再申請に向けた準備評価を開始したというプレスリリースを出しました。また、第4四半期の終わりから第1四半期にかけて起きた重要な動きについても強調しました。特に、Switch Energy社との間で大規模なマスターパートナーシップ契約を締結したことが挙げられます。
私たちの電力関連の取り組みに関してですが、当社はまだ売上を持たない企業であるものの、以前にご案内していた通り、現金支出はおおよそ4,000万ドルから5,000万ドルの範囲になると見込んでいました。実際に今期は、純損失が約7,360万ドルとなりましたが、その中には非現金項目も含まれておりました。それらの非現金項目を調整すると、支出はガイダンス通りで、約4,030万ドルとなっています。

[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
第4四半期から第1四半期にかけての動きについて、ウェドブッシュ証券は、AI革命の中で高まる原子力エネルギーの需要を受けて、OKLOが大きなチャンスを掴む立場にあると評価していましたが、その点については全面的に同意されますか?
[クレイグ・ビールミア](OKLO)
ええ、全面的に同意します。私がOKLOに加わったのは約18か月前のことですが、当時は、なぜ原子力なのか?という疑問が多かったように思います。それが今では、なぜ原子力ではいけないのか?という段階を経て、今こそ原子力だ、という流れになってきています。
実際にこの18か月間で、当社の受注残は700メガワットから14ギガワットにまで拡大しました。もちろん、Switch社との契約がその大きな要因になっています。そして、AIやデータセンターの需要全体が、この成長の大きな原動力にもなっています。
ただし、当社としては、産業系の顧客や石油・ガス関連の顧客もいることを強調したいと思います。つまり、データセンターだけに特化しているわけではありません。それでも、今後を見据えたときに、AIやデータセンター関連の需要がOKLOにとって大きな成長機会であることには間違いありません。

[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
エネルギーや原子力に関心を持つ方にとって、OKLOのストーリーで一番ワクワクするポイントは何でしょうか?メガワットの増強や再申請の準備についてもお話しいただきましたが、競合と比較したときに、OKLOがどのような強みを持っているのか、ぜひ教えてください。
[クレイグ・ビールミア](OKLO)
当社が他の競合と大きく異なる点は、大きく分けて三つあると考えています。
まず一つ目は、建設・所有・運営モデル(build-own-and-operate model)です。当社では、電力購入契約を通じて電力を販売する形をとっています。つまり、私たちは顧客に対して直接電力を届ける仕組みを持っており、それを実現する提供力があるという点が大きな特徴です。提供できる電力量は、おおよそ15メガワットから75メガワットの間を想定しています。このサイズ感だからこそ、顧客が必要とする場所へ、まるで、電力を持ち運ぶかのようなソリューションを届けることができます。
二つ目は、当社の技術基盤にあります。当社が採用している技術は、実験増殖炉2号機(EBR2)という、安全かつ安定的にアイダホ州で30年間稼働し続けた技術に基づいています。出力は20メガワットを超えており、すでに実績ある技術です。つまり、私たちの電力供給は、新しい技術ではなく、すでに信頼性が証明されているものに基づいているという点で、非常にユニークだと自負しています。
そして三つ目に、今後に向けてさらに強みを広げる取り組みを行っていることです。当社の発電システムは、新燃料だけでなく、再処理された燃料でも稼働することが可能です。実際、アイダホで建設中の初号機は、EBR2から再処理された燃料を使って稼働させる予定です。さらに、第1四半期には「アトミック・アルケミー」という企業の買収を完了しました。この会社は、放射性同位体を独自に製造する能力を持っており、医薬品分野、航空宇宙分野、さらには船舶製造分野でもその同位体の活用が期待されています。この買収により、私たちにはさらなる成長の可能性が広がっていると感じています。

[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
現在、エネルギー省とも連携されていますが、需要の状況についてどのようにお考えでしょうか?エネルギー需要は圧倒的に多くて追いつけないという印象ですか?それとも、少し落ち着いてきているように感じられますか?

[クレイグ・ビールミア](OKLO)
そうですね、どの外部ソースを見ても、エネルギー需要の成長曲線はかなり顕著です。そしてこの点が、私たちOKLOにとって非常にワクワクする要素でもあります。それは、当社の受注残にも如実に表れていると思います。
私たちの取り組みの中で特にユニークなのは、各発電所の設計を統一している点です。最初の発電所と同じ設計で2番目の発電所をつくり、さらにその2番目と同じ設計で5番目を建設する、というように、標準化を進めています。そうすることで、年間に1基、次に2基、そして最終的には年間に5基というペースで発電所を建設していく体制を目指しています。このように、成長と設備の展開戦略の両面から、市場の拡大をしっかり取り込んでいけるポジションにあると考えています。
私はOKLOに来る前、30年間石油・ガス業界にいましたので断言できますが、自社の製品に対する需要があり、しかもその需要が伸び続けている状況というのは非常にエキサイティングです。その需要にどう応えるかを考える立場にあるというのは、やりがいのあることです。そして私たちは、OKLOがその需要に応えるための非常に良い立ち位置にあると確信しています。

[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
そして、今の電力需要の多くは、大手テック企業、いわゆる、ハイパースケーラーから来ているというのも事実ですよね。彼らは、電力が必要だ、やっぱり必要ない、といった一言で、市場を大きく動かしてしまう影響力を持っています。そうした状況は、問題ではないのでしょうか?もちろん、AI関連のニュースで一喜一憂するという意味ではありませんが、少なくとも、彼らが何を必要としているかという点では、ある程度の明確さはありますよね。
[クレイグ・ビールミア](OKLO)
そうですね、実際に50メガワットから75メガワットへの拡大は、まさに顧客のニーズに応えるための動きです。原子力による電力供給で、その需要にしっかり応えることを目指しており、それがまさに私たちの取り組みの中心になっています。また、昨日もお話ししましたが、私たちは単に電力購入契約を結ぶだけでなく、マスターパートナーシップ契約を通じて、顧客と真のパートナーとして協力し合える関係を築こうとしています。その関係を通じて、電力資産の配備をスムーズに進め、顧客の電力需要にしっかり応えていきたいと考えています。
それから、強調しておきたいのは、当社の受注残がデータセンター関連企業ばかりではないという点です。確かにデータセンター関連が大半を占めてはいますが、たとえば石油・ガス業界ではダイアモンドバック・エナジー社(FANG)とも取引がありますし、産業系の顧客もいます。さらに、国防総省とも対話を進めているところです。つまり、データセンター向けの需要が大きいのは事実ですが、当社の提供する電力はそれだけにとどまらず、さまざまな顧客や市場セグメントに向けて貢献できるポテンシャルを持っています。

[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
そしてクリーンエネルギーという観点では、今はまだこの分野の初期段階にいるとも言えますよね。AI革命に関しても、まだ始まりに過ぎないのかもしれません。最後に一言、お願いします。
[クレイグ・ビールミア](OKLO)
そうですね。やはり今は、クリーンであることが大切にされていますが、同時に、信頼性のあるエネルギーであることも非常に重要です。特にデータセンターの顧客は、24時間365日安定して稼働できる電力を求めています。私たちは、クリーンな電力だけでなく、確実に供給できる信頼性の高い電力を届けるための発電所を各地に設置していくことを目指しています。
[ニコール・ペタリデス](Schwab Network)
本日はお越しいただきありがとうございました。OKLOの最高財務責任者、クレイグ・ビールミアさんでした。
2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Schwab Network
(Original Published Data : 2025/03/25 EST)
[出演者]
OKLO
クレイグ・ビールミア(Craig Bealmear)
CFO
Schwab Network
ニコール・ペタリデス(Nicole Petallides)
<御礼>
最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。
だうじょん
<免責事項>
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