テクノロジーセクターを凌駕する公益セクター株:その好調な株価パフォーマンスを支える米国電力需要
タイトルにある通り、米国での電力需要を通じての公益セクターおよび関連企業への投資アイデアにつながる話として、Barron'sのポッドキャストでのモルガン・スタンレーのスティーブン・バード氏の会話をお届けします。
スティーブン・バード氏は、モルガン・スタンレーでサステナビリティ・リサーチをグローバルで統括しており、データセンター不足の問題や電力制約をテーマとして、関係する企業や産業がこれらの課題にどう対処しているのか、電力業界の今後の見通し、そして投資家にどのような投資機会があるかについて語っています。
尚、この会話の背景には、以下の3つの背景が存在しており、これらを絡めて、現在の公益セクターの好調さと見通し、そして投資家へのアイデアを提供しています。
(1)好調な公共セクターの株価パフォーマンス
2024年6月末から現在までの公共セクターETFであるiSharesの「IDU」は、+12.73%のパフォーマンスを上げており、一方で、テクノロジーセクターのETF iSharesの「IYW」は、▲2.33%とアンダーパフォーマンスしている。一般に退屈というイメージのある公益事業株は、1980年以降、年間11%のリターンを出しており、これは、テクノロジー中心のNASDAQの12%と概ね同じという背景がある。

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そして、電力確保を巡る企業の戦略的動きも背景となっています。
(2)ハイパースケーラーの原子力発電データセンター
年初にAmazonはTalon Energyから960メガワットのデータセンターキャンパスを購入。Talon Energyは昨年破産から復活した会社で、そのデータセンターキャンパスの近隣には22ギガワットの原子力発電所、サスケハナ・スチーム・エレクトリック・ステーション(Susquehanna Steam Electric Station)を持つ企業。つまり、大量の電力を必要とするAmazonは、Talon Energyによる原子力による安定した電力を求めていたということ。この2社が協力し、事実上「原子力データセンター」を作り出し、その結果、Talon Energyの株価は昨年の秋以降、3倍となった。モルガンスタンレーのスティーブン・バード氏は、他の原子力資産を持つ公益事業会社も、近いうちに同様の取引をする可能性が高いと考えている。
(3)ビットコインの半減期
仮想通貨の採掘業者であるCore Scientificは、昨年の秋以来、株価が3倍に上昇。その理由は、仮想通貨の採掘事業が原因ではなく、ビットコインの「半減期」を迎えたビットコイン採掘業者が、その報酬の減収する中で見つけた新たな収益源によるもの。従来から大手の仮想通貨採掘業者は大量の電力を使用してコンピューティングパワーを生み出す大規模な施設を持っており、これこそAIデータセンターにマッチする設備となる。但し、Core ScientificがAIデータセンターをすぐに拡大するのは難しく、そこで登場したのがNVIDIAが支援するCoreWeaveで、CoreWeaveとCore Scientificが提携して、仮想通貨の採掘インフラの一部をAIデータセンター用に転換したというもの。Core Scientificも最近、破産から再建した会社で、今はこのような取引を通じて資金を獲得している。スティーブン・バード氏からは、その他の仮想通貨採掘業者も同様の動きを起こしていることが紹介されている。
それでは以下に、スティーブン・バード氏とBarron’sのジャック・ハウ氏との会話をお届けします。
(1)ポッドキャスト・インタビュー
[ジャック・ハウ](Barron’s)
データセンターが増えているという話ばかり聞くので、容量不足があると聞いて少し驚いています。その不足について教えてください。

[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
そうですね。まず、チップレベルから電力需要の予測を立て始めたのですが、その成長率には驚かされました。チップがどんどん省電力化しているという話を聞いていたので、正直ショックでした。確かに技術的な改善は進んでいますが、私が驚いたのは、チップの量やその電力消費の激しさ、そして時間とともにそれがどれだけ成長しているかという点です。
こうしたモデルから、米国を含む世界各地で今後どれだけの電力が必要になるかを予測しました。その結果、電力需要は大幅に増加する見込みです。例えば、来年には新しいデータセンターが10ギガワット以上必要になると予測していますが、現在建設中のものは5ギガワット程度に過ぎません。

[ジャック・ハウ](Barron’s)
つまり、データセンターの需要が供給を上回っていて、利用可能な電力が限られていることが、新しいデータセンターを建設する主な制約となっているということですよね?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
おっしゃる通りで、考慮すべき要素が2つあります。最大の課題は、電力網への接続です。新しい大規模な電力消費施設を突然電力網に接続するのは、簡単なことではありません。私自身、以前は電力会社の幹部をしていたのですが、送電システムの計画は非常に長期的なもので、突然「100メガワットの大規模なデータセンターを電力網に接続したい」と言われても、すぐに対応はできません。現在、そのような接続に対する遅延がますます増えているのが現状です。例えば、バージニア州やロサンゼルス郡では、バージニア州は世界のデータセンターの中心地なのですが、電力会社がデータセンターを接続したい新規顧客に対し、接続までに最大7年かかる可能性があると通知しています。AIの世界では7年というのは非常に長い時間であることは確かです。実際に電力網への接続が遅れているということは大きな課題です。
一部の市場では、電力自体が不足している問題もあります。テキサス州では、送電システムの観点だけでなく、発電所自体でも非常に厳しい状況が生じています。テキサスでは、需要と供給のバランスが非常にタイトになるリスクがあり、極めて逼迫した状態になる可能性があるのです。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
それを踏まえると、いくつか気になる点が出てきます。この新しいデータセンターに対する制約は、いわゆる成長株、特にテクノロジー関連株の成長にブレーキをかける可能性があるのではないでしょうか?
S&P 500に連動するファンドを持っていて、AI関連の株が大きく成長しているのを見ている投資家が、その成長が「新しいデータセンターを建てられないから、想定よりも早く成長できない」というような状況に直面することがあるのでしょうか?逆に、新しい容量を増やすために必要な企業の将来はどうなるのか、これからどのように展開していくとお考えですか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
その点については私たちも悩んでいますが、私が見てきた限りでは、テクノロジー企業は創造的な解決策を見つけるのではないかと思っています。実際、株式市場でもそれらの企業に多くの利益が見込まれています。AI関連の数字は、電力業界と比べるとはるかに大きなものです。AIの世界では、電力に対してプレミアムを支払う余裕があると思います。
データセンターの建設コスト、つまりチップやサーバーなどを含めた総コストは、1メガワットあたり約3,000万ドルです。発電所の建設コストは種類によりますが、1メガワットあたり約100万から200万ドル程度です。ですから、3,000万ドルを費やすAI企業は、電力セクターに少し多めに投資して、創造的な解決策を見つけることができるはずです。電力業界から見れば、その額は非常に大きく感じられるでしょうが、AI業界ではそれが可能なのです。
具体的な例として挙げられるのは、原子力発電所を利用するケースです。例えば、大規模なデータセンターを原子力発電所の近くに建設し、その発電所の所有者に対して通常の電力網よりも高い料金を支払って電力を確保することができます。これは一つの方法です。また別のアプローチとしては、ビットコイン関連企業に提案することです。彼らは電力網に接続して大量の電力を使用していますが、その接続の価値は非常に高いものです。ビットコインのために使っている電力をデータセンターに転換し、その代わりに高額なプレミアムを支払うという取引です。これも大きな解決策になるでしょう。そして、ビットコイン関連企業の観点から見れば、その取引額は非常に大きなものになる可能性があります。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
それらの機会は公開企業に対して存在しているのでしょうか?ビットコインの採掘を行っている場所を所有しているのは誰なのか気になります。なんとなく、冗談みたいなものを想像してしまいますが、実際にはもっと有効に電力を使えるのではないかと思っています。もし関連する株があるなら、それらが恩恵を受けるのでしょうか?それとも、これはプライベートな機会だけなのでしょうか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
確かに存在します。ビットコイン関連企業が大規模なビットコイン施設をデータセンターに転換した場合の潜在的な利益が確認されています。いくつかの企業は非常に大規模な施設を持っており、例えば上場企業を合計すると、アメリカ国内で4,000メガワット以上の優れた施設を持っており、さらに3,000から4,000メガワットが建設中です。これは非常に大きな規模です。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
ポテンシャルが大きい企業としては、ここにある名前ということですよね。Riot Blockchain、Cipher Mining、Bitdeer Technologies、Applied Digitalなど。どうぞ、続きをお話しください。
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
そうですね、それらに加えて、Hut 8やIris Energyも含まれます。Riotは現在のところその方向性を探っていませんが、他の企業はすでにこのような機会を積極的に検討していると公表しています。私たちはビットコイン採掘施設の現在価値を試算しました。キャッシュフローやビジネスの可能性を考えた場合、ビットコインの世界では通常こうした見方はしませんが、私が考える指標として、1ワットあたりの価値をドル換算すると、アメリカ国内のビットコイン採掘施設の価値は1ワットあたり2〜3ドル程度になると見積もっています。これが施設の価値になると考えられます。
私たちは時間の価値を評価した結果、チップを稼働させるための電力コストにおいて、年間の節約額が1ワットあたり3ドルを超えることが分かりました。ビットコインの施設は、従来の方法でデータセンターをグリッドに接続するのと比べて、3〜4年の時間的な優位性を提供できることが多いです。グリッドに接続を依頼した場合、運が良ければ3年ほどですが、アメリカ国内の多くの市場では4年、5年、6年、場合によっては10年近くかかることもあります。これは数年前よりも悪化しています。なぜなら、新しい電力需要者が急増しているからです。一方で、ビットコインの施設と契約を結べば、すぐに建設を開始できます。つまり、数年の時間を節約できるのです。データセンターの建設には約1年、少し長くても1年強かかりますので、大幅な時間の節約になります。
この分野で最もよく知られている銘柄は、Core Scientific(CORZ)という小規模なビットコイン関連株です。今年の株価チャートをご覧いただければ、私が言いたいことが分かると思います。この会社は、こうした種類の契約をいくつか発表しています。

[ジャック・ハウ](Barron’s)
今年の初めには3ドル台だったものが、今では10ドル台になっていて、今年はかなり上がっていますね。その収益性の高い機会については納得です。とても興味深いです。では、他に注目している業界や企業について教えていただけますか?どんな分野やタイプの企業が魅力的だと思われますか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
同じ「時間」というテーマに関連するもう一つのカテゴリーとして、アメリカの原子力発電所の所有者が挙げられます。例えば、Vistra(VST)やConstellation Energy(CEG)といった企業です。本当に大規模なデータセンターを建設したい場合、つまり次世代の大規模言語モデルをトレーニングするためのスーパーコンピュータを想定しているわけですが、膨大な数のチップと大量の電力が必要になります。例えば、原子力発電所は2,000メガワット以上の電力を供給でき、これは都市に匹敵する規模です。たとえば、フィラデルフィア大都市圏全体での電力消費量は約3,000メガワットですので、1基の原子力発電所は非常に大規模な電力を供給することができます。
ハイパースケールやデータセンター開発者の観点から見ると、これらのサイトには多くの利点があります。膨大な電力設備や広大な敷地、優れたセキュリティ、豊富な水資源を備えており、何よりも従来のグリッド接続に比べて、インターコネクションに要する時間が非常に短いのが特徴です。実際に、こうした取引のひとつを目にしました。例えば、Talon Energy(TLN)という株を見れば面白い動きがわかるでしょう。今年初め、AmazonがTalonと契約を結び、Talonの原子力発電所をデータセンター用に利用することになりました。Amazonはこの原子力発電所の電力に対してプレミアム価格を支払いました。同様のことが、ConstellationやVistraにも起こると考えています。大手企業がスーパーコンピュータを建設するために、非常に大規模な電力契約を結ぶでしょう。これは大きなビジネスチャンスです。

[ジャック・ハウ](Barron’s)
将来、特にアメリカの原子力発電の行方について考えたとき、どうなるのでしょうか。このポッドキャストでも、Duke EnergyのCEOをはじめ、いくつかの方がこの話題に触れていましたが、今後の展望はどうでしょう。
既存の大規模な発電所を延命したり、再利用したりするのが主流になるのでしょうか。それとも、新しい原子力施設や小型の原子炉を建設する動きがあるのでしょうか。これから数十年後のアメリカにおける原子力の地図は、どのようになっているとお考えですか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
米国内や世界各地で、原子力のルネッサンスが進んでいるのを感じています。最近、このテーマについて大きなレポートを出しましたが、私は長年エネルギー業界に身を置いており、非常にワクワクしています。
原子力が注目される理由は、その多くの利点にあります。原子力は安定した電力供給源であり、再生可能エネルギーが増える中、24時間電力を供給できるゼロカーボンの発電所があるのは非常に魅力的です。これは素晴らしいことです。また、原子力はスケーラブルでもあります。今後まず起こるのは、既存の原子力発電所が再認可され、長期にわたって稼働し続けることです。実際に原子力発電所を訪れると、誰もがその維持状態の良さに驚くと思います。これらの施設は非常に丁寧に保守されており、しばしば元アメリカ海軍の原子力潜水艦の将校たちによって運営されています。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
「ザ・シンプソンズ」に出てくるような感じではないですよね。ホーマーが机に足を乗せて、ふざけたことをしているような光景ではないですから。
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
その通りです。メンテナンスは信じられないほど優れています。そして、そこからさらに多くの新しい原子力発電所を建設することになると思いますが、どのタイプの発電所にするかについても考えるべきです。大まかに言えば、選択肢は3つあります。1つ目は、既存のような巨大なユニットをもう1基建設すること。2つ目は、小型モジュール炉(SMR)と呼ばれるものを建設すること。そして3つ目は、まだ技術が未成熟ではありますが、核融合技術に挑戦することです。
ただし、私は巨大ユニットには懸念を持っています。なぜなら、世界中でこうしたプロジェクトが予算超過やスケジュールの大幅な遅れを起こしているという長い歴史があるからです。非常に複雑なプロジェクトなんです。例えば、アメリカのジョージア州のボーグル発電所、フランスのフラマンヴィル、フィンランドのオルキルオト、中国の三門原子力発電所など、どこも同じような問題に直面しています。ですから、このような大規模で複雑なプロジェクトには注意が必要だと思います。
私が特に魅力を感じるのは、小型モジュール炉(SMR)です。これらはシンプルで、製造もより簡単です。多くの部分があらかじめ工場で組み立てられ、現地での作業が少なくて済みます。通常の発電所が1,000メガワット単位なのに対して、SMRは200~300メガワットと小規模で、ユニットを並べて設置することができます。これが非常に魅力的です。今後、特にこの10年の終わりから次の10年にかけて、アメリカや世界中でこの技術が本格的に普及し、原子力発電の大幅な増加が見込まれると思います。技術的にはもうかなり近づいていますが、まだ多くの規制当局が審査を進めており、完全にスケールしているわけではありません。先行者になるのは少しリスクがあるかもしれませんが、3番目や4番目に動くなら、SMRの原子力発電所の建設に積極的に参加したいと思います。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
太陽光発電の成長を見ていると、今後どのように拡大していくか、そしてどのエネルギー源が主流になっていくかを想像してしまいますよね。もちろん、将来的には様々なエネルギー源から電力を得ることになると思いますが、次の数十年で意外と成長しそうなものは何でしょうか。たとえば、小型モジュール式の原子力発電がその一例になるでしょうか。それとも、現在よりもはるかに支配的なエネルギー源になるものが他にあるとお考えですか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
素晴らしい質問です。具体的に太陽光、風力、原子力、天然ガスの量を計算してみると、新たな建設において石炭はほとんど使われていないため、太陽光が最も多くなると考えます。太陽光発電は非常に安価で、比較的簡単に建設できます。風力も順調に成長していますが、特に洋上風力は既知の課題が多く、陸上風力は適した場所を見つけるのが難しいという点があります。ですので、風力発電は太陽光よりやや少ない成長になるでしょう。
そして原子力はまだ不確定な要素がありますが、将来的には非常に重要になると考えています。成長の規模で言えば、原子力は太陽光に次いで2番目に位置するかもしれません。
また重要な技術の1つに、エネルギー貯蔵があります。これが進化してきており、今後さらに発展する必要があります。太陽光や風力、そして原子力の成長を促進するためにも、より多くのエネルギー貯蔵が役立ちます。最近、コストを下げる素晴らしいイノベーションが進んでいるのを見て、非常に期待しています。例えば、Form Energyという民間企業は、金属空気電池という技術を使っています。この製品自体は、見た目があまり魅力的ではなく、大きくてかさばり、効率もそれほど高くないですが、大きな利点はコストが非常に安いことです。この技術によって長期間のエネルギー貯蔵が可能になり、太陽光や風力の大規模な普及を支えることができるでしょう。エネルギー貯蔵は今後ますます重要になっていくと思います。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
今お話しされているのは、ノートパソコンや電気自動車に使われているリチウムイオン電池の代替となるものですね。実際に、グリッド規模のバッテリーとしてリチウムイオン電池を導入しようとしている例も見かけたことがあります。それに対して、もっとコストが安い代替技術をお話しされているということでしょうか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
そうですね、両方の貯蔵技術が必要です。例を挙げると、カリフォルニアではバッテリーが非常に優れており、3〜8時間分のエネルギーを貯蔵できます。カリフォルニアで太陽光発電が普及するにつれて、日中には過剰な太陽光エネルギーが発生します。その電力を貯蔵し、夕方5時頃、人々が帰宅して太陽光発電が減少するタイミングで、その電力を放出するのが理想的です。これは非常に効率的です。しかし、必要なのは季節間や日をまたぐ長時間の貯蔵です。具体的には100時間分のエネルギー貯蔵が求められています。これがまだ欠けている要素ですが、ここでも革新的な技術が登場してきています。ですから、短期と長期、両方のエネルギー貯蔵が必要です。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
まだお聞きしていない、これから電力不足を補う企業が注目されそうな分野やテーマがあれば、ぜひ教えていただけますか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
クリーンエネルギーについて多く話してきましたが、天然ガス火力発電も重要な解決策の一部となります。私たちがレポートで強調したのは、一部のテクノロジー企業が、追加の天然ガス火力発電所の建設に直接関与する可能性があると考えている点です。天然ガス火力発電所は比較的短期間で建設でき、信頼性の高い電力を供給できるからです。例えばテキサスのような地域では、データセンター向けに新しい天然ガス火力発電所が建設されるのを目にすると思います。確かに、天然ガスは原子力のようなより注目される分野に比べて見過ごされがちですし、その理由も理解できます。しかし、天然ガスは依然として重要で、この分野でも多く活用されることになるでしょう。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
幅広いユーティリティ企業に投資している方にとって、今後どのような展望があるのでしょうか。中には、原子力関連の企業やデータセンターを手がける企業もありますが、一方で、昔ながらの規制されたユーティリティ企業も含まれています。私が住んでいるニューヨーク市北部では、コン・エディソンがその一例です。コン・エディソンに悪いことは言いませんよ。もしかしたら聞いているかもしれませんし、電気がチカチカするのも困りますからね(笑)。もちろん、そんなことはあり得ないと思いますが。ただ、正直なところ、彼らが今話題の最先端にいるとはあまり感じません。こうした幅広いユーティリティ企業に投資している場合、今後の投資家にとってはどのようなパフォーマンスになるとお考えですか?
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
意外に思えるかもしれませんが、電力不足やその対策について話してきた一方で、規制された電力会社の成長は期待できるものの、劇的なものにはならないと考えています。例えば、Duke Energyのような企業も含め、多くの規制された電力会社では、成長が堅調です。リスクの少ないビジネスモデルで、高い一桁台のEPS成長率を維持しているのは良い状況です。しかし、これらの企業を「戦艦」と考えると分かりやすいでしょう。動かすのが難しく、長期的な資本計画がすでにしっかりと固まっているからです。多くの場合、データセンターとの接続も迅速に行えないことが課題となっています。
そのため、私たちが話してきた競争力のある原子力発電所やビットコイン施設などのソリューションは、従来のグリッド接続に対する代替的なアプローチを取ることで、電力会社の成長を促進する可能性があります。しかし、それでも電力会社自体は安定して成長しています。これらの動きが大きな影響を与えるケースは一部に限られており、大半の企業においては、これまでの成長に大きな変化は見られないと考えています。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
このポッドキャストには、学生さんのリスナーがいるようで、大学生や高校生が、こんな年配者の話を聴いてくれるなんてと驚いています。でも、もしそういった若い方がいて、「AIに関わりたい。コンピュータサイエンスやテクノロジーを学ぼう」と思っているなら、どうでしょうか。最近、エネルギーの分野がますます重要になっていくように感じます。進路を考えている学生がエネルギーについて学ぶのは良い選択だと思いますか? これからの時代、エネルギー分野は魅力的なフィールドになるのでしょうか。
[スティーブン・バード](モルガン・スタンレー)
クリエイティブで革新が求められ、今後大きな需要が見込まれる仕事を考えている学生にとって、さらに地球の脱炭素化に貢献できる仕事を希望しているなら、この分野は素晴らしい選択肢です。いくつかの例を挙げると、AIスキルを直接応用したい場合、バッテリーの材料科学が興味深い道です。AIが医薬品開発で大きな進歩を遂げているように、バッテリー化学にも同様のブレークスルーが期待されています。AIを活用して、バッテリーの化学組成の膨大な可能性を分析し、性能を向上させることができれば、地球に大きな恩恵をもたらすだけでなく、大きなビジネスチャンスにもなります。
もう一つのアプローチは、ハリケーンや猛暑、データセンターからの膨大な電力需要に対応できる、より多用途で強靭なグリッドの構築を考えることです。ここには大規模なイノベーションが必要で、まだ学生の間ではあまり知られていない分野ですが、非常に広い可能性があります。ぜひ、時間をかけて考えてみる価値がある分野です。
[ジャック・ハウ](Barron’s)
ステファンさん、素晴らしい質問をありがとうございました。
(2)オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご聴きになれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Barron's
(Original Published date : 2024/09/14 EST)
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