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「市場の油断を突くFOMCサプライズ利上げの足音」 インフレファイターのタカ派シグナルに警戒せよ

 この投稿は、現地7月23日(木)に配信された「Bloomberg Real Yield」のコンテンツから抽出した一部のコンテンツの参考訳で、マクロ経済を題材としたウォール街のアナリストによるラウンドテーブルを紹介するものです。以下は、サブテーマとそれらのテーマ課題です。

1. 急速浮上するFRBのサプライズ利上げ説
 ・FRBサプライズ利上げの可能性とマクロインフレ指標
 ・新FRBウォーシュ体制におけるコミュニケーション変化
 ・米英・グローバルにおけるマクロ動向とダイバージェンス

2. 個人投資家向けプライベート・クレジットと今後の市場観測
 ・個人投資家向けプライベート・クレジット商品のリスク管理
 ・高金利の長期化とソフトウェア分野における信用ストレス
 ・市場ボラティリティへの警戒(CBイベント・決算・地政学リスク)






Part 1. 急速浮上するFRBのサプライズ利上げ説


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 
今週の米国債利回りの急上昇は大変注目されますが、これは決して突如として起きたわけではありません。30年債利回りは、これで13日連続、そして今年に入ってからだけでも計28日間にわたり5%を超えて取引されています。これは年初来の全セッションの約19%に相当します。2007年に50日間にわたって5%を超えて取引されて以来の、最も多い日数であり最も長い期間であることがお分かりいただけると思います。しかし2007年とは異なり、現在のFRBの政策金利は当時より150ベースポイント低くなっています。つまり、超長期債を保有することに対して、投資家がサブプライム債務危機の始まりの時期よりもさらに大きな補償を求めている兆候と言えます。

 一方で地球の反対側では、欧州中央銀行が金利の据え置きを決定しました。クリスティーヌ・ラガルド総裁は、9月に利上げを行う可能性を示唆しています。


今回の会合で、一部の総裁からは、利上げ、つまり3つの政策金利の引き上げを検討すべきではないかと自問する声もありました。そこで、我々は現在の情勢に関するデータを真摯かつ徹底的に精査した結果、全員一致で、当面は様子を見つつ、今後数週間の情勢の推移や入手されるデータに細心の注意を払うという姿勢が適切であるとの判断に至りました。

クリスティーヌ・ラガルド(ECB総裁)


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 ブルームバーグの国際経済・政策担当特派員であるマイケル・マッキー氏が、チャートを手にして詳しく解説するために加わってくれました。
 もちろん、私が振り返りたいのは、クリスティーヌ・ラガルド総裁が述べた「注意深く見守る」という言葉です。今まさに世の中のあらゆる事象に対して注意深くあることが求められています。そして皆様も、原油価格の動向や、トレーダーたちが利上げの可能性をどのように価格に織り込んでいるかについて、当然目を光らせていることと思います。


[マイケル・マッキー](Bloomberg)
 そうですね、中央銀行の総裁である以上、現時点では誰もが注視せざるを得ません。ドナルド・トランプ大統領の動向や、中東で彼が展開している施策、そしてイランとの戦闘再開を一段と加速させているかどうかといった点についてです。
 6月に開催されたFOMCの議事要旨には、興味深い指摘がありました。AI関連の強い需要や中東での紛争、あるいは関税の影響によってインフレが高止まりし続けた場合、ほぼすべての参加者が一定の政策引き締めが正当化される可能性が高いと示した、と記載されていたのです。では、現在の状況はどうでしょうか。強力な需要が存在しています。昨晩発表されたグーグルのAI関連支出をご覧ください。中東情勢を背景にブレント原油は本日100ドルに達し、今週はカナダに対して50%の関税が科されました。そして明日には、期限切れとなる関税に代わる新たな大量の関税措置が導入される見通しです。

 FRBが市場の予想を裏切って利上げに踏み切るのではないかと考えられる根拠は、十分に揃っています。利上げを行わないと考える理由も存在しますが、本日お持ちしたチャートをご覧いただくと、市場はこれから何が起こるかを提示する傾向があることが分かります。それこそがウォーシュ議長の望む市場の姿でもあります。白いラインをご覧ください。これはFF金利を示しています。そして青いラインは2年債利回りです。この2年債利回りが、FRBの今後の動向を予兆する傾向にあることが確認できます。

 右端の部分をご覧ください。追加のラインが入っているため少し見づらいかもしれませんが、ここ1週間ほどで2年債利回りが急上昇しており、FRBが示唆し、市場が少なくとも利下げを織り込んでいた水準を大幅に上回っています。さらに黄色のラインはFF金利先物を示しており、過去24時間から48時間の間に、予期せぬ利上げの確率を大幅に織り込み始めました。来週のサプライズ利上げの可能性は、およそ36%から40%にまで上昇しています。通常であれば、事前の予告がないためそのような措置は取らないと考えるのが普通ですが、現在のウォーシュ体制では事前に予告しない方針が掲げられています。定例の記者会見を開催することは発表されていますが、本人が語っているように、何か伝えるべき内容があるからかもしれません。多くの人々がこの動向に強い関心を寄せています。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 マイケル・マッキーさん、そのままお付き合いください。ここからはアポロのチーフエコノミストであるトルステン・スロック氏をお迎えし、マクロ経済の対話としてこの問題を掘り下げていきます。もちろん、マッキーさんにも議論に参加していただきます。

 トルステンさん、今回の展開はすべて原油価格の動向に基づいているのでしょうか。マッキーさんが指摘したように、過去24時間から48時間の間でブレント原油は本日1バレルあたり100ドルに達しています。


[トルステン・スローク](Apollo)
 インフレ率が3.5%あたりで非常に高止まりしているため、他にも様々な要因が絡んでいると考えています。FRBの目標は2%ですので、現在のインフレ率がどこにあるのかという出発点も、この議論においては極めて重要となります。あいにく、私たちが現在直面している原油価格の上昇というショックは、状況を望ましくない方向へと押し進めています。まさにマッキーさんが指摘した通り、市場がここ1週間ほどで突然このような織り込みを始めた理由はそこにあると考えられます。
 1週間前までは、来週に利上げが行われる確率は10%未満というごく低い水準でしか織り込まれていませんでした。しかし今や状況が一変し、来週に利上げが行われる確率はほぼ50%、具体的には40%から50%近くにまで達しており、その可能性について議論を交わす状況となっています。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 来週までにその確率が50%を超えるとお考えでしょうか。


[トルステン・スローク](Apollo)
 課題となるのは、マッキーさんも言及されていたように、私たちが依拠できるようなフォワードガイダンスが全く存在しない点です。頼りになるフォワードガイダンスがない以上、私たちは自分たち自身の見解を形成し始める必要があります。そしてその見解は、もちろん他のFOMCメンバーがどのような発言をしているかを中心に構成されます。
 現在、極めて重要な状況を迎えており、複数のFOMCメンバー、特にベス・ハンマック氏やクリス・ウォラー氏をはじめとする多くのメンバーが、もしかすると利上げを行うべきかもしれないと示唆しています。そのため、開催が予定されている記者会見も含めて、来週いったい何が起きるのかについて非常に強い不確実性が存在している状態です。


[マイケル・マッキー](Bloomberg)
 来週の利上げという考えに対して人々が懐疑的になっている理由の一つは、これが依然として供給ショックであるためです。テクノロジー分野における供給ショックであり、原油市場における供給ショックでもあるため、FRBとしても打てる手が限られています。仮に金利を引き上げたところで、原油価格が下落するわけではありません。


[トルステン・スローク](Apollo)
 おっしゃる通りです。さらに言えば、依然として進行中である関税の影響による後遺症についても、供給ショックであると主張することができます。しかし、この問題は結局のところ、彼らの間で繰り広げられる内部での議論、すなわち「一時的」という言葉をどのように定義するかという点に集約されます。
 過去1週間で見られた原油価格の上昇を一時的なものとして捉えるべきなのか、あるいは潜在的により長く続く可能性があるものとして捉えるべきなのかという問題です。これはFRB、すなわちFOMCが結論を出さなければならない非常に複雑な議論です。つまり、このインフレに対するショックがどれほど永続的なものであると捉えるべきかという点です。


[マイケル・マッキー](Bloomberg)
 もちろん、ウォーシュ議長のもとで事態が変化しつつあるのは明白ですが、市場の現状をFRBが承認すべきだという従来の考え方についてはどうでしょうか。


[トルステン・スローク](Apollo)
 まあ、現時点で市場が実際にどう考えているのかは、もちろんフェデラルファンド先物があること以外には分かりません。かつてフォワードガイダンスが存在していた頃は、それがFRBの主張と合致しているかどうかについて、ある程度の見通しを立てることができました。しかし現在、FRBはあまりガイダンスを提供していません。ドットチャートを提出した18名の参加者によるデータは残っていますが、ウォーシュ議長がそのドットチャートの示す考えを支持するのか、それとも「FRBの信頼性を今すぐ高める必要があり、したがって市場が現在予想しているよりも早い段階で利上げを行うべきだ」と主張するのかは不明です。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 FRBが利上げを行う必要があるという見解や、なぜインフレが高止まりし続けているのかという理由に結びつくあらゆる要素について考えてみますと、労働市場もその大きな要因であると指摘されています。そして、その答えは現在4.2%にある失業率にあるのです。その理由を説明してください。


[トルステン・スローク](Apollo)
 先ほどスカーレットさんが示されたチャートの裏返しの関係になりますが、現時点で利回りが長期間にわたって5%を上回っていることが示されています。同時に、失業率がNAIRU(インフレ非加速的失業率:インフレを加速させない失業率)、つまり自然失業率を下回る状態が続いています。こちらの図で右側に示されている57ヶ月という数字は、FRBが通常、少なくともドットチャートにおいて均衡失業率と考えている4.5%を下回り続けている月数を表しています。このデータは、労働市場がかなり引き締まっていることを示しており、図で確認できるように第二次世界大戦以降に遡ってみても、極めて長期間にわたって非常に引き締まった労働市場が続いています。別の言い方をすれば、インフレ率は2021年以降ずっと目標を上回り続けており、米FRBにとっては非常に引き締まった労働市場と極めて高いインフレ率が同時に存続している期間が、非常に長く続いているということになります。


[マイケル・マッキー](Bloomberg)
 ベス・ハマック氏やローリー・ローガン氏のような方々は、原油価格の状況に焦点を当てずとも、利上げを行うべき理由として、目標からの長期乖離を挙げています。私たちが長期間にわたって目標を達成できていないこと自体が、現在の金融引き締めが明らかに不十分であることを証明する十分な根拠になるでしょうか。


[トルステン・スローク](Apollo)
 ええ、インフレファイターとしての信頼性を維持するためには、インフレが実際に存在している局面、とりわけそれがこれほど長期間にわたって続いている状況においては、インフレと真剣に戦っている姿勢を示す必要があるからです。そのため、議論は先ほど私たちが話題にした点、すなわち原油価格によるショックを一時的なものとみなすかどうかに帰着します。
 仮に一時的であるならば、インフレはいずれ低下し始めると主張することもできるでしょう。しかし、極めて引き締まった労働市場と高いインフレ率が同時に存在し、さらに原油価格の上昇という新たなショックが加わって事態を押し上げていると考えるならば、それこそが来週に利上げを実施すべきだという強力な主張の根拠となります。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 今週再び表面化した関税の問題についても触れざるを得ません。トランプ大統領がカナダや後発医薬品メーカーに対して関税を課すと表明した脅威についてです。これらの関税の再導入は、インフレのシナリオにどのような影響を与えるのでしょうか。


[トルステン・スローク](Apollo)
 これは極めて重要なポイントです。FRBが企業を対象に行った意識調査において、関税の転嫁を完全に完了したか、あるいはまだ対応が必要か尋ねたところ、相当数の企業が「まださらなる対応が必要だ」と回答しました。
 懸念されているのは、最近新しく発表された関税だけでなく、昨年導入された措置についても、企業が昨年4月以降に実施された関税に対して現在もなお調整と対応を続けているという点です。
 マッキーさんが指摘していたように、FRBの議事要旨からも明確に読み取れるもう一つの要素は、エネルギー価格の問題だけでなく関税の影響が時間差で及んでくるという点です。さらに、ローリー・ローガン氏の主張に加え、経済の過熱を指摘する他の複数のメンバーの意見も重なります。ベス・ハマック氏も述べている通り、このように長期間にわたって目標から乖離し続けていること自体が、私たちが今すぐ利上げを検討し始めるべき第3の理由となります。そうした背景から、市場は来週の利上げの確率を過小評価しているのではないかという見方が一段と強まっています。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 マイケル・マッキーさん、ありがとうございました。そしてもちろん、アポロのトルステン・スロック氏にも引き続きご同席いただきます。



[スカーレット・フー](Bloomberg)
 トルステンさん、イギリスやヨーロッパで起きていることを見ますと、超長期債利回りは確実に高水準にあります。米国、イギリス、そしてヨーロッパで見られる現象の間にはどのような関連性があるのでしょうか。


[トルステン・スローク](Apollo)
 共通して作用している要因が多く存在します。明らかに原油価格が上昇しており、これがイングランド銀行やFRB、そしてECBにとっても課題となっています。ただし極めて重要な相違点として、米国にはAIブームが存在することが挙げられます。
 あいにくイギリスにはAIブームが存在しないため、米国と比較して成長および成長見通しが引き続き厳しい状況にあります。そのため、イングランド銀行の政策の舵取りの余地という点において、米国との間に大きな乖離が生じています。米国の場合は、力強い成長と高いインフレが共存しているため行動を起こすべきだという方針が明確です。しかしイギリスでは、高いインフレが存在する一方で、残念ながら特段強い成長が見られないという局面を迎えています。したがって、大西洋を挟んだ両国における決定的な相違点の一つは、成長見通しの違いにあると言えます。

 一方で財政状況については非常に似通っており、リーブス財務相や政府も当然ながら財政規律について言及しています。今週前半にこの件に関して疑問を投げかけるような発言も一部で見られましたが、大枠として財政状況は芳しくありません。イギリスも他の欧州諸国と同様に防衛費の大幅な支出を迫られており、米国も金利への上昇圧力を生む財政状況を抱えています。
 つまり、簡単に言えば、金利に上昇圧力がかかっている要因がいくつかあり、その具体的な要因には米国の経済成長が挙げられます。しかし、これは米国に特有の状況です。一方、英国やイングランドにおいても、金利を押し上げている要因は同様です。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 トルステンさん、この後クレジット関連のラウンドテーブルを行いますので、そのままお待ちください。
 その前に、ブラックストーンによるプライベート・クレジットの現状についての分析を確認します。




Part 2. 個人投資家向けプライベート・クレジットと今後の市場観測


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 ここからは注目のトピックをお伝えします。
 ブラックストーンが、個人投資家にプライベート・マーケットへの投資機会を提供するための新しいファンドを発表しました。これらのファンドは、今朝の決算発表のわずか1日前に設定されました。ブラックストーンの社長兼最高経営責任者であるジョン・グレイ氏が、先ほどプライベート・クレジットについて話してくれました。


 解約請求はかなり大幅に減少してきておりますので、これが解明されるには少し時間がかかると言えます。最終的に私たちがお客様に成果を提供し、プライベート・クレジットにおける破滅を予告する人々が事態を過大評価していたとお客様が理解していただければと考えています。
 デフォルトの正常化や基準金利の低下によって利回りは多少低下するものの、この商品は成果を出し続ける商品であるということです。

ジョン・グレイ(CEO、Blackstone)


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 ブルームバーグのルシア記者に加わっていただきます。
 ルシアさん、グレイ氏が解約について言及しました。私がこの話題を取り上げたのは、私たちが追跡してきたプライベート・クレジット・ファンド、つまり業界全体における解約請求の動向が理由です。ブラックストーンが新しい商品を立ち上げる中で、その状況はどのようになっているのでしょうか。


[ルキア・ギフトプーロウ](Bloomberg)
 ブラックストーンとしても十分に考慮すべき事項であると考えています。業界内でこのような動きがしばらく続いているからです。バンガードとともに立ち上げた新しい商品は、インデックス・ファンドなどを組み込んでいるため、流動性を確保する大きな枠組を持っています。しかし、業界の他の場所で起きている広範な状況を考慮しないのは誤りと言えます。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 まさにその通りですね。解約請求に関してですが、資金を固定することに機関投資家ほど慣れていない可能性がある個人投資家に対して門戸を開いている以上、解約制限の上限についてどのように説明しているのでしょうか。


[ルキア・ギフトプーロウ](Bloomberg)
 ブラックストーン側からは多くが語られていないと思います。一つのファンドには3%の解約制限があり、もう一つのファンドには10%の解約制限が設けられており、彼らは顧客に対する教育の重要性と、どのように教育を行っていく必要があるかを強調しています。
 しかしプライベート・クレジットで見られたように、最終的には顧客がリアルタイムで知識を得ていくことになったため、これらのファンドが拡大した際に何が起きるかは、今後の状況を見守る必要があります。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 リアルタイムで知識を得ていくことになったというお話は、非常に興味深い捉え方ですね。ルシアさん、どうもありがとうございました。ルシアさんは、私たちのブルームバーグの記者です。そして、アポロのチーフエコノミストであるトルステン・スロック氏にも、引き続きご同席いただいています。

 トルステンさん、アポロは、業界大手の代替資産運用会社の一つですが、現在のプライベート・クレジットと経済全体との相互作用について、どのようにお考えかお話を聞かせていただけますでしょうか。クレジット市場の一角ではストレスの要因となっていますが、必ずしも経済全体へと波及しているわけではありません。


[トルステン・スローク](Apollo)
 はい、その背景には、プライベート・クレジットにおける問題がどこで生じていたかという点が大きく関係しています。
 主な問題はソフトウェア分野で発生していました。ソフトウェアは直接融資の約25%を占めていますが、このソフトウェア業界は2つの非常に大きな問題に直面しました。1つ目は、AIによる市場の混乱リスクです。そして2つ目は、ソフトウェア企業が極めて高い負債比率を抱えており、利払いカバー率が非常に低いという点です。これは、金利が長期間にわたって高水準に留まる環境下では、ソフトウェア企業の業績が維持されにくいことを意味しています。
 そして、インフレが高止まりしていることや、中東におけるショックによってインフレに上昇圧力がかかり続けていることから、金利は長期にわたって高水準で推移するという議論が続いています。この状況は、プライベート・クレジットの世界において、多額の負債を抱え高水準の債務を返済する能力が乏しい領域にある企業が、今後も苦戦を強いられ続けることを意味しています。そしてまさにこれこそが、プライベート・クレジットにおける問題の大部分が集中している箇所なのです。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 そして、私たちは来週に控える重要イベントを見据えています。ブラックストーンが決算を発表したばかりで、アルファベットも決算を発表したところですが、その他のハイパースケーラー各社の決算発表が来週に予定されています。エコノミストとして、そしてプライベート・クレジットを注視する立場として、それらをどのようにご覧になりますか。


[トルステン・スローク](Apollo)
 来週に向けてですが、先ほどお話しした通り、まず第一にイングランド銀行の会合があります。また、来週の水曜日にはFOMCの会合も控えています。さらに、ハイパースケーラーの決算発表も予定されており、7月29日と7月30日に3社のハイパースケーラーが決算を発表します。そして現在、中東における紛争激化のリスクも存在しています。つまり、ボラティリティが大幅に高まる非常に大きなリスクに直面していると言えます。本日もそうした動きの一部が見られ始めていますが、もちろんリスクとなるのは、これらの事象、特に中東をめぐる情勢や、仮にFRBが利上げを行った場合のFRBをめぐる情勢、そして特にAI関連支出やハイパースケーラーをめぐる情勢においてシナリオの変化が生じた場合、来週の市場がかなり不安定になる可能性があるという点です。
 今後を見据える上で、当然ながらそれがリスクとなります。しかし、米国経済に対して強気な見方をしている人々は、この状況を見て、経済において非常に多くの事象が順調に進んでいると主張するでしょう。
 経済は非常に良好に推移しています。例えば、AIブームは経済が好調であることを示しています。金利上昇についての議論がこれほど交わされている状況であっても、事態は極めて堅調に推移しています。そしてある意味で、これこそがパラドックスと言えます。


[スカーレット・フー](Bloomberg)
 トルステンさん、30分間にわたりお付き合いいただき、本当にありがとうございました。アポロのチーフエコノミスト、トルステン・スロック氏でした。




オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Bloomberg Televisionより
(Original Published date : 2026/07/23 EST)



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だうじょん


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 本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。




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